2009年03月18日

歌曲は難しい?

 声楽のレッスンは、発声が終われば、次は歌唱指導になります。さすがに、発表会を控えているので、歌唱指導も指導ポイントが多岐にわたりました。一つ一つ書いてゆきます。

 「音取りの宿題」が出ていました。まずは、その確認からです。確認と言っても簡単な話で「とりあえず、通して歌って」です。

 もちろん、私はやってきましたよ。音程を確認し、リズムを確認し、歌詞と音符の関係(譜割り)も確認し、とりあえずインテンポで歌えるようにして歌いましたが…、それでは不十分だと言われました。何が足りないのかというと、音楽の表情。少なくとも次回から「音取り」と言われたら、リズムと音程と譜割りだけでなく、楽譜に書かれているすべての音楽記号まできちんと確認しておくように言われました。

 楽譜通りに歌えること…これがレッスンの出発点です。再確認しました。

 では、具体的なレッスンです。まずは譜割りのチェックが入りました。歌ですから、音符に言葉が載るのは当然で、言葉のどの部分がどういう風に音符に載るのかが大事なポイントです。

 音符に載るのは母音のみ…これは大原則なんですが、複合母音の場合は“アクセント”のある母音だけが音符に載ります。

 たとえば“miei”という単語。アクセントは真ん中の“e”ですから、この母音が音符に載ります。って事は、“miei”を“mi-e-i”と三つに分けて考えれば、音符に載るのは“-e”だけですから、“mi-”の部分は音符よりも先に歌わないといけないし、語尾の“-i”は音符の後にくっつけて歌うわけです。特に、音符に先付けして“mi-”を歌うのが、慣れないので、結構大変。気持ち的にはプチ気味にアウフタクトです。だって、こういう音韻構造している語って、日本語にはないじゃん。ああ、外国語ってメンドいのよ。

 発音関係で言えば、“r”も要注意。巻き舌です。もちろん巻く。しっかり巻く。ついつい英語レベルの巻き舌で“r”を発音してしまいがちだけれど、イタリア語は英語よりもしっかりと“r”は巻いて発音。きちんとしよう。

 閑話休題。巻き舌が苦手な人やイメージできない人のために書きます。「サッポロラーメン」とやや大きめな声ではっきりと活舌良く言ってください。“ロ”の前で舌が不穏な動きをしたでしょう。これが“巻き舌”です。巻き舌が苦手な人は「サッポロラーメン、サッポロラーメン、サッポロ…」と言い続けて、巻き舌のイメージをつかんでください。
 話を戻します。語中にある“r”は単純にしっかり巻けばいいけれど、語頭にある“r”はプチ気味なアウフタクトで、音符の前でたっぷりと巻く。

 さらに語尾の“r”の場合は、しっかり巻くだけでなく、どこで巻くかもちゃんと考えないといけない。特に語尾のみならず文末の“r”は要注意。たとえば、「〜cor.」となっていて、これが四分音符に載っていたら、音符に載るのは、“co-”であって、“-r”は音符には載らない。だから、“r”は四分音符の終わった次の拍の頭で思いっきり巻く。忘れずに巻く。ここが大切。

 とにかく“r”は、きちんと巻かないといけないし、巻くにしても、どこでどれくらい巻くかを、常に意識的にやらないといけないので、結構面倒です。面倒だけれど、こういう細かいところをいいかげんにしちゃうと、カタカナのイタリア語になってしまうので、注意注意。

 無論、歌詞の発音だけでなく、意味についても、もう少し考えてくること。なぜその歌詞にそのメロディーが付いているのかを考えれば、歌い方にも自然と変わってくるはずと言われました。そりゃ、そうだ。ラジャー。

 この曲には、速度記号とか強弱記号とか表情記号とかたくさんの音楽記号がついております。各小節ごとに2〜3個ずつですね、ほぼ満載と言っていい状態です。これらの音楽記号のひとつひとつをきっちりと行ないましょうと言われました。そりゃ、そうだね。本来なら、音取りの段階である程度、読み込んでおかないといけなかったのだから、なおさらです。

 特に気をつけるのが、速度に関する記号。どこからテンポを落とし、どこまでその遅いテンポで行き、どこで元の速さに戻るのか、それもすぐに戻るのか、徐々に戻るのか。そういうところまで、しっかりと意識的に行ないなさい、なのである。テンポは揺れまくりなのである、結構大変なのである。例えば、アラルガンドの最中のテヌートとか、ラレンタンドの最中のリタルダンドとか、なんか感覚的によく分かりません。ちょっと試行錯誤しておきますわ。

 さらに言えば、全体としてはレガートに、しっかり音楽が流れるように歌わなければいけないし、声の響きに注意が必要。特に歌いだしの部分は音高が少し低めだけれど、響きは常に高く高くと意識する。当然、頭蓋内はオープンしまくりです。

 テンポに関して言えば、この曲はほぼ歌手が自分でテンポを決めて、そのテンポで歌っていいのだけれど、ところどころピアノと息を合わせるところがあるので、そこはしっかりとピアニストの存在を意識して、自分一人で突っ走らないようにすること。

 あと……そうそう、そう言えば、いらぬ疑惑をかけられたよ。私の歌を聴いた先生が、私がたくさん音源を聴いて、それをトレースして歌っているのではないかと疑ってたね。確かに今まではそうしていた(だって楽譜読むのが苦手だから、音源聞きながら楽譜をチェックしてたわけよ)ので、疑われても仕方がないのだけれど、今回に関して言えば、それは全くの濡れ衣。濡れ衣なんだけれど、そう思われた。日頃の行いが悪いので仕方ないと言えば仕方ないのだけれど…。

 まあ、確かに、数回は音源を聴いたけれど(これは嘘ではない)、暗記するほどは決して聴いてないし、参考にもしてない。ましてや、音源聞きながら楽譜を開いたことはない。今回は、結構これでも真面目にこの曲の楽譜とは取り組んでおるのよ。

 ただね、一日の練習の最後に仕上げとして、カラオケと合わせて歌ってはいるよ。やっぱり上手なピアノ伴奏に載せて歌いたいじゃない。

 ところが、このカラオケが歌いづらくてね…。最初はカラオケとは全然合わなかったのだけれど、何度か合わせをしているうちに、カラオケのピアノの癖を飲み込んで、なんとなくはまってくるようにはなったけれど…、たぶん、先生はその事を言っているのだと思う。

 で、結局、カラオケ使用禁止になっちゃいました。カラオケは、音楽を均一化するので、ダメだって。ピアノが弾けない分をお金で解決したつもりだったけれど、結局、伴奏無しで練習するはめになりました。ま、仕方がない。カラオケCDも含めて、他人の演奏は一切聴かないことにしました。

 以上、たくさん注意を受けました。発表会が迫っているのだから、注意点が細かくても仕方がない。きっとこれだけ頑張れば、一皮むけるよ。

 さてさて、今回も宿題が出ました。それは…しっかり母音だけで歌ってくること。以前、みるてさんが「母音だけでリズム読み」というのを教えてくれて、忙しくって手がつけられなかったアレですよ。アレの音程付きをやってくることになりました。これをやるとレガートに歌えるようになるんだよね、ガンバ。

 それと、これは宿題というわけではないのですが、メロディーを一度フルートで吹いてみるといいですよとも言われました。理由は…歌だと歌詞がついているために(歌詞におんぶして)スラーとかタイとかがいいかげんになりがちなところを、フルートだと、しっかりとその辺を意識できるから、ぜひフルートで演奏してみましょう、だそうです。ちなみにキング先生も新曲はチェロ(ちょうど音域がテノールと一緒)で弾いてみるそうですが…フルートはフラットが4つも付いている調性は苦手なんです。ああ、弦楽器がうらやましい。

 「歌曲って難しい…」と愚痴ったところ「難しいのではなく、どこまでやるか、なんですよ。ここまでで良し、思ったら、歌曲の学習は終りです」と言われました。と、いう事は、(自分にとって)難しい事を要求されているのは、そこをクリアできると見込まれているからというわけですね。よしよしよし、がんばってクリアしていきましょう。