2009年03月25日

初心者を満喫する

 時間は逆さまに流れない。初心者はいずれ初心者でなくなる。上達して、中級者になるか、上達せずに初学者のままであるかは分からないが、いずれ初心者でなくなる。

 初心者とは、その世界の新参者であり、彼にとっては、その世界の住民たちにとって、既知であり日常である事柄が、新鮮で美しく見えるものである。見るもの、聞くもののすべてが、新しくて珍しいものなのである。いわば、彼にとって、まさに世界は光り輝いてる時なのである。

 初心者とは一過性の存在だ。

 幸か不幸か、私はフルートの初心者である。一応、声楽も十分初心者なのだが、声楽は隣接領域である合唱界にいたせいか、全くの初心者とは違うかもしれない。しかしフルートは、本当に全くの初心者である。

 スーパーのチラシの売り文句ではないが、毎日が新鮮。見るもの、聞くもの、みんな知らないことばかり、できないことばかり。この歳で、知らないことやできないことがあるってことが、まず楽しい驚き。

 ほんの一年前の私は、フルートがどんな材料でできているかなど、興味になかった。おそらく当時の私に質問したら「フルートが何でできているかって? あれは一応、金属だよね。鉄? アルミ? ああ、分かった、チタンだ!」って答えるね。何しろ、私、チタン萌えな人だから(笑)。(ところでなぜ、チタンのフルートってないんだろ? フルートの材料としては、なかなかのモノだと思うのだけれどね…。硬いのが欠点かな?)

 クラオタなのに、フルート奏者の名前も知らなかったよ。フルートの曲は…かろうじて、モーツァルトの協奏曲とかビゼーの小曲とかは知っていた。だいたい、日本にこんなに笛吹きさんがいるなんて、予想もしていなかったし(笑)。

 知らないことはいずれ知る。できない事は努力次第でできるようになる。一度知ってしまえば、もう知らなかった昔には戻れない。できてしまえば、できなかった自分とはおさらばだ。

 そう、初心者は一過性の存在。だから今、初心者である、この状況を、私はたっぷり楽しみたいと思う、二度と来ない、この初心者の日々を。おそらく、後から振り返った時、この時間がとてもまばゆく思えるに違いないだろうから。

posted by stone at 05:16| Comment(4) | TrackBack(0) | 音楽一般