2009年03月31日

フルート・クライスのイベントに行ってきました

 上坂学先生主宰のフルート・クライス「フルートを楽しもう! in 東京 Vol.8」に行ってきました。とても、楽しかったですよ。あ、「2009年春 フルート試奏の旅」の記事は、都合により、来週アップします。今週の残りの日々は、レッスンの事をアップしないとマズい事に気づいたからです。というわけで、試奏の話は来週まわしにします。楽しみにしていた方々、申し訳ない。

 さて、フルート・クライスのイベントの話です。公式サイトはこちらですよ。

 イベントと言っても、まあ、一種の公開講座のようなものでした。でも全然堅苦しい感じではなく、むしろフレンドリーで楽しく学べるというものですね。特に実演を交えてのお話は、書籍やインターネットでは触れられない様な事まで分かりやすく解説されるので、とてもためになりました。

 場所は西新宿のムラマツさん。イベントの最初はミニコンサートでしたが、その部分の感想は割愛(笑)。録音をしたので、その録音から演奏の部分を切り出して、iPodに入れて、ヘビーローテーションかけるんだ(はぁと)。

 さて、最初のコーナーは「集まれ!大いなる初心者の皆さん!!」という、初心者さん対象なのに、なぜか生徒さんは初心者ではないという不思議なコーナーでした。

 最初の生徒さんは、我らがテツさんでした(パチパチパチ〜)。実は私、テツさんとお会いしたのは、今回が始めて。だから『テツさんってどんな人だろう』と思ってました。会場に入ってからも「きっとあの、いかつい人がテツさんじゃなかろうか」とか目星をつけてワクワクしながら待っていたら、舞台にあがったのは、全然別のノーマークの人でした。ネットの書き込みの雰囲気と、リアルな風貌って、全然関係ないんだな。なんか、フルートの人というよりも、マラソンの人って感じでした。

 テツさん、コーナーご出演ご苦労さまでした。テツさんのコーナーの内容は、テツさんご自身が日記に書かれているので、ここでは省略(笑)します。ミクシィの人は読みに行ってあげてください。

 二人目の生徒さんは、キャリア10年の初心者さんでした。10年やっていても、苦労は絶えないのだなあ、フルートの道は細くて険しいものなのだなあと思いました。結局、問題は、姿勢なんですね。特にフルートの持ち方とアンブシュア。この二つを解決するだけで、かなりの悩みが解決するようです。

 と言うか、ここに問題を抱えている人って、多いんですね。私、びっくり。そして、笛先生に感謝です。

 ここを入門時にしっかりやるかやらないかで、その後のフルート人生の道の険しさを決めてしまうような…そんな感想を持ちました。フルートの持ち方とかアンブシュアなんて、教則本には書いてあるけれど、初心者の頃はその意味も分からず、ある程度慣れてきちゃうと読み返すこともなく、おそらく学校の吹奏楽部では、その辺の指導もなされないのでしょうね。自己流で長年やっていて、自己流のまま固まってしまったのでしょうね。そこがドツボという奴なんでしょう。

 なんてエラそうな事を書いている私も、演奏姿勢はかなり悪い事は自覚してます。直さないとなあ…。でも、フルートの持ち方は最初にきちんと仕込まれたので、問題なく過ごせてます。先生に感謝感謝です。

 二番目のコーナーが「驚くくらい楽に音が出せて、おまけに音程も良くなる当て方とアンブシュア」です。生徒はお二人とも若い女性の方。いいね、女性は、舞台に上がっても、華がある。良いです、良いです。

 実は、アンブシュアに関しては、上坂先生がご自身のホームページで書かれている内容、そのままでした。でも、読むとやるでは全然違いました。私もフルートを構えていたら、上坂先生にグイッと下げられ「えっ!」というくらいの場所にフルートを構えさせられました。実に下です。クチビルではなく、アゴにフルートを当てるのよ。でも、そこを出発点にして、先生の教えどおりにフルートを構えていくと、確かに先生のおっしゃるとおりになります。実に納得です。

 私、アンブシュアに関しては、笛先生から習っていないんです。と言うよりも「正解はあるけれど、そこに至る道は一人一人違うから」と言うわけで、自分流に工夫してきたものを、先生が機会ある事にチェックして修正していくというやり方でアンブシュアを自分のものにしてきました。このやり方は個人レッスンならでのベストなやり方だと思ってます。ただ、欠点はノウハウ的なものは一切ないので、時々、忘れてしまうのと、迷った時に分からなくなることです。

 だから私のアンブシュアの作り方は、YouTubeで見た、ゴールウェイがマスタークラスで指導していたアンブシュアの作り方がベースです(ザッピングしていてたまたま見つけたので、今となっては、どのファイルか分からない 笑)。で、今は、そのゴールウェイもどきのアンブシュアでスランプのドツボに落ちてます。

 そんな時に出会えた上坂流のアンブシュアの作り方。フルートの神様は私に何を教えたいのでしょうね。

 そんなわけで、私の中で、上坂流とゴールウェイもどきが葛藤してます。両者とも、基本的には、クチビルの下のアゴのくぼみにフルートを置いて、グイとクチビルに持ってくるやり方です。上坂流が円運動で手前からこちらに持ってくるのに対して、ゴールウェイは直線運動で下から上に持ってきます。今まではゴールウェイ風に直線運動でフルートを持ってきた私ですが、ちょっと上坂流に円運動で持ってくるようにしてみようかな…。

 ああ、女性がフルートを持つと、より美しくかわいく見えるのはなぜ? フルートって、大きな大きなアクセサリーなんでしょうか?

 それにしても、ブラバンの生徒さんって、すごいね。譜読みは早いし、指動く。若さの勝利だな。フォーレのシチリアーノくらいなら、舞台の上で緊張しながらも、初見で吹いちゃえるもんなんですね。すごいですねえ。

 私もちょびっとチャレンジ…と思って、楽譜をひっぱり出して吹いてみたら、案外、初見で吹けちゃうね、でも、リラックスした自宅だし、誰に聞かせるわけでもない穴だらけの演奏だし、人前で吹いているわけじゃないから、比較対象にはなりませんね。やっぱりブラバンの生徒さんってすごいわ。

 ここで心に沁みたのは、すべての練習は音楽のために行なうということ。指の練習も音階の練習もロングトーンの練習も、みんなみんな音楽のために行いましょうってこと。それを実演を交えてながら、先生が具体的に教えてくださいました。笛先生もよく同じことをおっしゃってますが、余所の先生が教えてくださると、また肝への命じ方が変わりますね(先生、ごめんなさい)。

 休憩をはさんで、ムラマツフルートの吹き比べをして(この話は「2009年春 フルート試奏の旅」の中で書きます)、次のコーナー「美しい音程を奏でよう!」になりました。今回のメインコーナーです。

 やったことは、笛先生とのレッスンの中で時々やるハモりの練習そのもの。笛先生は「フルートの音を覚えましょう」とよく言いますが、まさにそれ。要は、純正律の美しいハーモニーを自分の中に入れていきましょうという趣旨の話です。

 生徒さんのFisの上に先生が色々な音をきれいに載せて、二度、三度、四度、五度の和音を作りました。また生徒さんの音に五度の音をキレイに載せたり、汚く載せたりもしました。これらの感覚が分かるかどうか、分からない人は暗記しなさいってことなんだろうと思いました。笛先生がよくおっしゃる「耳を開きなさい」ということだね。音程をいつも楽器任せ(あるいはチューナー任せ)にしている人は、ああいうのは苦手なのかもしれない。そう思いました。

 フルート同士の音がキレイにハモると、基音のオクターブ下で天使が笛を吹くんですね。これはおもしろいと思いました。人の声がハモると、天使が天井の高いところで歌うんですよ。だから、教会の天井には天使の絵が書かれているのだと思う。でも、フルート同士だと、床下で天使がバスフルートを吹くんですねえ。こういう経験は始めてだったので、新鮮でした。歌の世界の常識とフルートの世界の常識の違いを発見するたびに、ちょっとずつうれしくなる私でした。

 そうそう、先生が会場を回られて、会場の生徒さん一人一人のFisの音の上にCisの音を載せて、キレイなハーモニーと汚いハーモニーの違いを個別に教えてくださっていたけれど、アレ、私はやってもらえなかった! 私以外にも数名抜かしていたけれど、抜かした人たちは、みんなお弟子さんだよね。お弟子さんは普段のレッスンでやってもらえるから、別にいいだろうけれどサ。…お客さんはみんなやってもらっていたような気がする。私の被害妄想かな? ドキドキしながら待っていたのに、肩すかしでした。「あ、飛ばされた」そう思った時、心の中では号泣してました。ああ、とても残念。とても無念。

 テツさんなんて、舞台の上にあがって教えてもらった上に、きちんと個別の場面では、FisとCisの指導まで受けたんだよ。ああ、ああ、ああ。

 コーナーの後半では、お弟子さんたちのフルートアンサンブルの演奏に先生がちょっとしたアドバイスをして、音程というか、ハーモニーを磨いていました。先生の指導でみるみるハーモニーが磨かれていって、最後はとてもきれいなハーモニーになってましたね。

 私はどうやらフルートアンサンブルというものに、偏見を持っていたらしいです。フルートアンサンブルなんて、雑音製造マシーンだと、実は、思っていました。でもそれは偏見で、単純に下手くそなフルートアンサンブルが雑音製造マシーンなだけで、上手にアンサンブルをすると、フルートだってキレイな音楽を奏でられるのだと知りました。下手くそは人間の責任であって、楽器の責任ではないというわけですな。

 フルートアンサンブルもなかなか捨てたものじゃないと思いました(上手な団体に限るけれど)。

 全部のコーナーが終わったあとは、フルート診断にも行かず(直前にフルート調整をしたから)、フルート試奏もせず(中休みでたっぷりやったから)、上坂先生にも質問に行かず(Fisのハモリの件で飛ばされたので、ちょっとヘソを曲げていたから 笑)、ずっとテツさんとおしゃべりをしてました。もしかすると、テツさんの楽しみを奪ってしまったかもしれないと、後で反省しました、申し訳なかったです。

 結局、色々あったけれど、おもしろいイベントでした。

 全体を通しての感想を書いてみます。

 まず、上坂先生はいい人で、正直者。当たり前だけどプロの自覚をもっている人。ファンになってしまいそう。来年もイベントをやるそうだから、なるべくまた参加したいなあと思いました。でも、私は嫌われているかもしれない(笑)。

 4時間近くに渡って、上坂先生がおっしゃっていたことの大半は、普段、笛先生が私にする注意とほぼ同じ。違うのはアンブシュアの件(上坂流ですよね、アレ)と、フルートの組み立て方(上坂先生は内向き派、笛先生は外向き派です)の注意くらいで、他はほぼ同じ。と言うことは、私は笛先生のところで、まだまだみっちりフルートの勉強をしないといけないということですね。がんばります。

 ああいうところに入ると、私のアゲハじゃ全然音量不足だね。先生がせっかく「みなさんそれぞれでご自由に(練習を)」と言われても、あそこじゃアゲハの音は全然聞こえない。練習なんて全然できましぇん。前後をムラマツフルートユーザーに、脇をヤマハフルートユーザーで囲まれると、アルタスなアゲハの音は、奏者にも聞こえません。音色じゃ勝っているけど、音量じゃあ、明らかに負けてる…確かにアルタスは大音量なフルートではないから仕方ないと言えば仕方ないね。なんか負けた気がして、ちょっぴり悔しい。

 会場に来ている人のフルートをさりげなく観察してみたけれど、実にピンキリ。先生のお弟子さんとおぼしき方々は、皆、お高そうなフルートでしたが、そうでないお客さんたちはメーカーもフルートのランクも様々。でもみな一様にカバード式でしたね。やはりアマチュアにとって、フルートってカバードが主流みたいですね。

 参加者の中には、当然だけれど、上手な方もいらっしゃれば、そうでもない人もいて、おもしろかった。で、フルートの腕前って、不思議なことに、たった一つのFisのロングトーンで分かるものですね。聞いた瞬間に「あ、この人、絶対フルートが上手」って分かりますもの。逆もそうだけれど…。

 上手な人は、ただのFisのロングトーンにも音楽が感じられたもの。その一つの音から、今にも次の音が、そして音楽が奏でられそうなオーラがむんむんなんだよ。ありゃ、すごいなあって思いました。

 一方、単なるロングトーンなのに、騒音にしか感じられない人も少なからずいました。私はなんでもすぐに顔に出てしまうタイプなので、おそらくゲロゲロって表情をしてしまったことでしょう。ああ、年を取ると、耳が肥えるのでやっかいです。

 ああいうイベントに参加し、様々なキャリアの笛吹きさんと一緒にいて、そんな中で自分の立ち位置がなんとなく分かったような気がする。それだけでも、あのイベントに行ってよかったと思います。

 最後にひと言、苦言。一部のお弟子さんたちのマナーがちょっと…。自分の先生のイベントで誇らしいのは分かるけれどサ。大人なんだから、もう少し自粛しようよ。

 さあ、頑張って、フルートの練習をしましょう。