2009年09月09日

総銀フルートはぜいたく品か! ではゴールドフルートはなんなんだ!

 あなたはゴールドフルートユーザーですか?

   いいえ × -> このまま、読み進めてください。
   はい ○  -> また明日のお越しをおまちしています。
 
 警告! ゴールドフルートユーザーの方は、ここから速やかにお引き返しください。
 
 
 我が国日本では、クラシック系のプロの奏者は、かなりの頻度でゴールドフルートを使用しています。ゴールドでなければ木管です、そしてプロのフルーティストの方の中から、総銀フルートの愛用者を探す方が大変なくらいですし、おそらく洋銀系のフルートを使っている方は、ほんの少数でしょう。

 プロだけでなく、アマチュアの方でもゴールドを持っていらっしゃる方は少なからずいらっしゃいます。ブログ界にも大勢いらっしゃいますし、我が地元のアマチュアフルーティストにもいます。オッサンオバさんばかりでなく、若い娘さんでもゴールドを持っている人がいます(音高生だと思いますが…)。

 私がアゲハを購入した頃は、本当にフルート界の事を知らなくて、とにかく「プロとハイ・アマチュアはゴールド」って思ってました。出世魚ブリじゃないですが、笛吹きと言う者は『まず最初は頭部管銀のフルート(つまり洋銀系)で入門し、しかる後に二本目のフルートとして総銀に買い換え、免許皆伝でゴールドを手にして、やっと一人前』と思ってました。

 だって、現実的に見れば、そうでしょ? だから私も二本目のフルートとして、総銀フルートを購入したわけだ(“しかる後”がたった三カ月という特殊事情はあったけれど)。

 でもね、たくさんのフルートを試奏してみて分かったことは、結局、手にするべきフルートは音の良いフルートであり、その、音の良いフルートというのは“自分好みの音のするフルート”の事なんだな。これ、真理ね。

 そして、自分好みの音っては、それこそ人によって違ったり、やっている音楽ジャンルによって違ったりするわけで、高い値段のフルートが必ずしも自分の好みの音を出すとは限らないわけです。

 そういう風に考えると、腕前の上達とともに、値段の高いフルートにシフトしていく事は、必ずしもフルートをバージョンアップしているわけではないし、フルートをやっているからには、いずれは総銀へ持ち替え、最終的にはゴールドフルートのユーザーになる…必要なんて、全くないのです。

 もちろん、楽器メーカーや楽器販売店は、ユーザーがそれぞれの腕前の上達に従って、高級モデルにドンドン持ち替えることを望んでいるだろうし、そういう人を歓迎するでしょう。でも、音楽の演奏が好きで、良い音を望んでいる奏者にとって、その行為はあまり意味がなく、場合によってはナンセンスですらある行為です。だって高級モデルにチェンジすることで、自分の好きな音から遠ざかっている事だってありうるわけですから。

 モイーズは今でも人気のあるフルーティストですし、彼の演奏を愛する人もたくさんいるでしょう。でも、あの魅力的な笛の音は、実は洋銀フルートの音なんですね。モイーズは洋銀フルートを愛用していたそうです。おそらく洋銀フルートの音が好きだったんでしょうし、彼にとっての良い音ってのは、あの洋銀フルートの音だったんです。

 そう考えると、フルート学習者が、なかなか良い音が出せないでいるのは、楽器のせいではなく、単に腕前や才能の多寡のせいなのかもしれません。

 たぶん、楽器としてのフルートは、モイーズが愛用していた事実から鑑みても、洋銀フルートで十分なんだと思う。洋銀フルートでは吹けない曲なんて、別にないでしょ。だって楽曲は楽器の材質には依存しないはずだから。

 もちろん、現代フルートの開発者であり、一流のフルーティストであったベームは、フルートの素材としてシルバーを指定しています。だからフルートは本来的には総銀であるべきでしょうし、総銀であることが理想的な姿なのでしょ。でもシルバーは貴金属なわけで、ちょっとばかり高価な素材でございます。

 プロ奏者はお財布の事などでグダグダ言わずに、理想的な姿である総銀を使えばいいのでしょうが、経済的に制限のある一般趣味人にとっては、多少でもお財布に優しい価格がうれしいわけで、そうならば洋銀でもいいわけです。だいたい、純粋に楽器としての必要十分な性能だけを考えたら、洋銀フルートで足りるしね。

 ならば「まず最初は頭部管銀のフルートで入門し、しかる後に総銀フルートに買い換え」は正解。でも、単純に音楽を演奏するアイテム、つまり、楽器としてのフルートは、そこまでで終わりではないか、と思うようになりました。

 つまり必要十分な性能を持った実用品としての洋銀フルートと、楽器開発者が指定した楽器としての理想的な姿の総銀フルートの二種類のモノがこの世に存在すれば、それでいいのです。

 だから趣味でフルートをやっている一般人、特に私のような“永遠の初心者”にとって、楽器として必要十分な性能をもった実用品である洋銀フルートでも、何ら困ることはなく、本来プロ奏者が使うべき、理想的な楽器の姿である総銀フルートは、一種のぜいたく品という位置付けになります。だからアマチュアの方々は、まずは洋銀フルートを使用し、色々な理由で、ぜいたくをしたくなったら、総銀フルートを所有すればよいのです。

 私なんか、いい年したオッサンなので、持ち物にもそれなりに気を使わないといけないので、ちょっとぜいたくな総銀フルートなんて、腕前に関わりなく、必要なアイテムだったりします。オッサンって、結構、物入りなんだよね。

 で、そして、ゴールドフルートは、音楽を演奏する楽器としては、別に必要ないという、結論になります。

 じゃあ、すとんさんは、ゴールドフルートを否定するのかというと、別に否定しません。逆に大肯定です。だって、最近の私は“ゴールドフルート欲しい病”にかかっていますから(笑)。

 ただ、ゴールドフルートは、プラチナフルートや木管フルート、もうちょっと言っちゃえば、カーボンフルートやチタニウムフルート、リッププレートがサンゴだったり鹿の角だったり水牛の角や象牙だったりする、趣味に走ったフルート、ああいうフルートの仲間なんじゃないかと思うようになりました。つまり“嗜好品”ね。「好きなら買えばいいじゃん」の世界ね。

 だから、ゴールドフルート、大いに結構。好きなら買えばいいじゃん。だって、嗜好品だもん。

 洋銀フルートは実用品。総銀フルートはぜいたく品。ゴールドフルートは嗜好品。ま、そんな風に考えてます。

 以前、ディアさんのブログで話をしていた時に、ディアさんがアメリカでは、プロアマともに、ゴールドのフルートを吹いている人を見かけたことがない、とおっしゃっていました。

 ディアさんとて、別に統計学的な調査をしたわけでもなく、あくまでも個人の印象なのでしょうが、案外、人の印象(とりわけ女性の印象)ってのは、ズバリ正解だったりするものです。おそらく、世界一のフルート王国(生産量とメーカー数だけで言ってます)であるアメリカでは、ゴールドフルートの利用者は、かなり少ないのでしょうね。つまりアメリカでは、プロでも総銀フルートを愛用している人がたくさんいるって事だね。

 しかし、一体、誰がこんなに日本のフルート界を、ゴールドラッシュにしちゃったんでしょうね。まさに“黄金の国ジパング”じゃん。戦犯は誰なんだ?

 ところで、オータムジャンボが当たったら、ゴールドフルートを買うんだー(はぁと)。