はい、タイトルは単なる“愚痴”です。しかし、愚痴りたくなるほどの暑さだとは思いませんか? せめて、夏やせでもしてくれればよいのですが…そうは問屋が卸さないのが、厳しい現実って奴ですね。
フルートの相場
フルート初心者の方で、自分のフルートが欲しいなあと思う方は多いと思います。そこで、楽器店に行ってみたり、人づてに話を聞いてみたりすると、フルートの価格ってピンキリでよく分からないって思われる方、多いと思います。実際、楽器屋のショーウィンドウに並べられている手前の10万円のフルートと、その奥の100万円のフルートの違いなんて、見ただけじゃあ、どう違うか、分からないですよね。
フルートなんてものは、楽器である前に、手工芸品ですから、自分のお財布の許す限り、贅を尽くしたものを買うのが正解だと思いますが、日々の営みを考えれば、そんな事も言えないのが人生です。良いものは欲しいけれど、良過ぎるものはいらないし、かと言って、安物買いの銭失いもイヤ…というのが本音でしょう。それに、フルートは決して安い楽器ではないので、一度買ったら、なかなか次を買うわけにはいかないでしょうから、フルートを買うとなったら、色々と決断やら覚悟やらをしていかないといけません。
そんな方の参考になるといいかなってわけで、フルートの価格帯を、ごく大雑把にまとめてみました。フルートの値段って、材料で値段が決まる部分があり、大雑把に言えば、こんな感じで、ランク付けされてます。お買い物の際は、このあたりのことを頭の片隅に入れておくといいですよ。
総洋銀(白銅)フルート 7〜10万円
フルートの最低価格帯はここだと思ってください。すべてをニッケル合金(+銀メッキ)で作られたフルートです。具体的には、ヤマハのYFL-221とかYFL-211などを想定しています。ここより安いものは、楽器のカタチをしたオモチャと思った方がいいかもしれません。私が最初に買った楽器は、さすがに1万円でしたので、実にオモチャでした(笑)。
頭部管銀フルート 13〜20万円
頭部管と言って、息を吹き込む部分の管だけが銀で作られ、後はニッケル合金で作られているフルートです。フルート経験者が初心者に、まず最初に薦めるのは、このクラスのフルートですし、ここからフルートを始める人はたくさんいます。また、ジャズ系フルーティストの中には、プロでもこのあたりの楽器を使う人がいます。ま、初心者さんが購入するなら、無難なレベルの楽器と言えます。実際に、楽器屋で一番売れるフルートは、この“頭部管銀”のフルートだそうです。つまり、このクラスが、一番の売れ線フルートってわけですね。
管体銀フルート 25〜35万円
管体すべてが銀で、キーがニッケル合金で作られているフルートです。このクラスのフルートを購入するなら、もう少し頑張って、総銀フルート[標準タイプ]を購入した方がいいかなって思います。
総銀フルート[標準タイプ] 40〜60万円
すべてが銀で作られたフルートです。フルートはすべてを銀で作るのが標準仕様なので、お金に余裕があるなら、ここから始めるのも一つの入り口です。このクラスの楽器あたりから上が、いわゆる“一生もの”の楽器になります。このクラスの楽器の寿命は一般的に、調整さえきちんとしていけば、私たちの余生よりも長いです。ちなみに、私のフルートはこのランクになります。
総銀フルート[高級タイプ] 70〜100万円
材質的には上記の標準タイプと同じですが、製法などが若干違っていて、より職人さんの手間がかかっているタイプのフルートです。さすがに、ここからフルートを始める人は、まずいません。クラシック系のプロ奏者が使っている銀のフルートは、このクラスのものがほとんどです。
ゴールドフルート[9K] 130〜160万円
金で作られたフルートです。アマチュアさんは9Kのフルートを使っている方が多いですが、プロになると、14Kとか18Kのフルートを使う方が多いですね。ちなみに金は24Kが純金ですから、9Kって言うと、その40パーセント弱が金で、60パーセントが銀とか銅とかの他の金属から作られている、金合金の事を言います。金属化学界では18K(75パーセントの金含有量)以上の物でないと金扱いしないそうですが、フルート界(アクセサリー界も同様らしいです)では、9Kから金扱いをします。この9Kのフルートと言うのは、実に吹きやすいフルートで、総銀フルートなどよりも、ずっと吹きやすいので、たまに、いきなりこのクラスのフルートを購入しちゃう初心者さんもいないわけではありません。
というわけで、フルートの価格帯という意味では、初心者さんは、まずは頭部管銀で検討し、余裕があるなら、総銀[標準タイプ]を検討し、神様の声が聞こえたら(笑)、ゴールドフルートを考えるといいんじゃないかなって思います。
レッスンとおしゃべり
先生との“おしゃべり”って、実は、皆さん、口には出しませんが、悩まれている方、多いですね。「まずは一通り、先生とおしゃべりをしてからレッスンに入るので、いつもレッスン時間が決められた時間の倍ぐらいになってしまい、申し訳ない」とか、「レッスンが終わった後、先生と延々とおしゃべりをしてしまい、レッスンの後の予定が立てづらい」とか、「レッスンの合間合間に入るおしゃべりで、レッスンがダラダラになってしまって、イヤ」とか、「先生、私には全然話しかけてくれない、嫌われているのかな?」など、おしゃべりは、してもしなくても、色々と悩みがあるようです。
その中でも一番深刻なのが「レッスンの終わる時間がきちんと決められているのに、レッスン時間の最中は、おしゃべりばかりになってしまい、レッスンをちゃんとやってもらえない」という悩み。こういう方の主張の一つに「おしゃべりはレッスンではないのだから、おしゃべりのためにレッスン時間が減ってしまうのは、おかしい。おしゃべりはおしゃべりとして、レッスンはレッスンとしてやってほしい」という意見、こういう意見は、女性の方に多いかな?
レッスンとおしゃべりの問題って、色々ありそうですね。
私は複数の先生に習いましたが、レッスン中のおしゃべりの扱いって、先生によって様々です。
レッスンを受ける立場の私としては、レッスンとおしゃべりの問題に関しては、おしゃべりがあろうがなかろうが、レッスンは決められた時間分を決められた時間内にやっていただければ、それでOKだと思ってます。時間や内容を多めにやっていただけた時は、先生/教室の好意として受けとめ、感謝をしています。逆にレッスン時間が短めで内容が薄くなってしまった時は…契約不履行!…と言うわけで、文句を言う事もあります。
文句を言うのは、前の生徒さんのレッスンが押してしまって、私のレッスン時間に食い込んでしまったにも関わらず、私の次の生徒さんがやって来たからと言って、そそくさと早めにレッスンを終えようとした時などですね。
ですから、30分のレッスン時間のうち20分雑談してしまったため10分しかレッスンを受けられなかった場合(よくあるパターンですね)は、私は文句を言いません。なぜなら、そのおしゃべりが内容の無い雑談であっても、私のために先生のお時間をいただいているという点(先生方は時給で働いています)では、おしゃべりもレッスンと同様と心得ているからです。
ちなみに、おしゃべりとは違いますが、その日にやるべき課題をすべて見てもらって、それでもレッスン時間が余ってしまって早めにレッスンが終わってしまった時は、私は文句を言いません。「時間が余ったんだから、余計に教えてください」と言ってもいいのでしょうが、私は、やるべき事をやったなら、それで良しにしちゃいます。だから、やるべき事をやって早めにレッスンが終わった時は、さっさと帰る時もあれば、残り時間で雑談をして、先生とコミュニケーションを図ったりしています。
案外、先生とのおしゃべりって、勉強になる事が多いので、私は好きですよ。
フルートの音程
フルートの音程って、高くなりがちですね。特に初心者のうちは、たいていそう。なので、大概の初心者さんは頭部管をたっぷりと抜いて、それに対応しがちです。しかし、元々の楽器が音痴なら仕方ないのですが、普通によく作られた楽器であると、フルートって頭部管を抜くのは3〜5mm程度と想定されて設計されているので、それを1cm程度抜いてしまうと、チューニングした音(AとかBbとか)はバッチリ当たっても、フルートそのもののバランスが崩れてしまって、その他の音が今度は音痴に陥ります。
つまり、頭部管の抜き差しでチューニングをしてしまうのは、実は良いことでないのです。頭部管の抜き差しは、あくまで気温/室温の変化に対応するためであって、きちんと設計されたフルートは、本来、チューニングの必要はないのだそうです。
では、本来チューニングの必要のない楽器、つまり音程がピッタリと合いやすい楽器のはずのフルートが、現実問題としては、うわずる事が多いのかと言うと……私も以前は散々先生に注意されたのですが…フルートに吹き込む息が強すぎたり、息を吹き込みすぎていたりするからなんだそうです。
息の吹き込み過ぎには二つの理由が考えられます。
一つは奏者のテクニック不足。きちんと息をコントロールする事ができず、結果として息を強めの多めに吹き込んでしまい、フルートの音程がうわずってしまうため。
またもう一つの理由は、フルートに限界以上の大音量を求めてしまい、その結果、音がうわずってしまう事。フルートは元々が室内楽用の楽器なのであって、大きな音を出すのが構造的に苦手な楽器です。小さいけれど、よく響く美しい音で演奏するのが、本来のフルートなのですが、合奏などをやっていると、他の楽器との兼ね合いもあって、ついつい音量を求めがちになってしまう事が多いでしょう。そのために息を強めの多めに吹き込んでしまい、音程が高くなってしまうのだそうです。
もっとも、強めの多めがダメだからと言って、弱めの少なめが良いかと言うと、実はこれもダメ。適量の息を適切な速度でフルートに吹き込むのが良いのだそうです。
第1〜2オクターブはまあまあだけれど、第3オクターブの音程がうわずり気味だなあと思っている人も、吹き込む息の強さと分量をチェックするとよいそうです。
と、まあ、何事も理屈が分かっても、実行はなかなか難しいのですけれどね。
今月のお気に入り ウェスト・サイド・ストーリー(ヘイリー&グリゴーロ盤)
今回、お気に入りとしてご紹介するディスクは、ウェスト・サイド・ストーリー50周年を記念して製作されたCDです。実は私、このCDが発売された当時は、このCDを馬鹿にしていました。「50周年? アニバーサリー・イヤーに載かった企画モノ? ロクなもんじゃねえだろうなあ」「マリアは…え? ヘイリーじゃん。あんな発声でマリアを歌えるの?」「トニーは…ヴィットリオ・グリゴーロ? 誰、それ? 」「指揮者…ニック・キングハン? 知らないなあ…」「オケは…ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー? 上手いんだろうけれど、ローカルなオケだな…」って感じでした。それにジャケットがオシャレすぎるのも、なんか、クラシック・クロスオーバーっぽくて、ひいたのも事実です。
そんな理由で避けていたこのCDですが、先日“ウェスト・サイド・ストーリーのCD、大人買い”というのを決行して(と言っても三枚のCDを買っただけですが:笑)買い求めたCDを片っ端から聞いてみて、驚きました。このヘイリー&グリゴーロ盤、めっちゃくちゃいいんですよ。
私が今までリファレンスにしていた「ウェスト・サイド・ストーリー」は作曲者であるバーンスタイン自身が指揮をしている、バーンスタイン自演盤(テ・カナワ&カレーラス盤)だったのですが、このヘイリー&グリゴーロ盤は、それよりもいいかもしれない。いや、少なくとも、マリアとトニーは、テ・カナワ&カレーラスの大物カップルよりも、ヘイリー&グリゴーロのヤング・カップルの方が、声がキャラクターに合っていていいです。
心配されていたヘイリーの歌唱ですが…すごく線が細くて、弱々しくて、おそらく舞台では聞けたものじゃないでしょうが、CDで聞く分には、むしろこの声の方が、マリアの悲恋ヒロイン性(か弱さ/痛々しさなど)がよく表現されて、かえって良いかも。アニータとの二重唱では声の対比がよく出ていて、アンサンブルとしても、おもしろいです。少なくとも、オバサン声のテ・カナワの数倍良いですよ。
一方、グリゴーロですが、こっちは手放しで称賛しちゃいます。素晴らしい歌手です。実にちゃんとしたクラシック系の若々しくて美しい声でトニーを歌いあげています。CDで聞けるトニーの中のベスト歌唱が、このグリゴーロかもしれません。トニーを聞くなら、このCDですよ。
ちなみに、マリアだけを聞くなら、93年にイギリスで製作されたボニー&ボール盤でしょうね。とにかく、バーバラ・ボニーのマリア、最強ですよ。さすが、NHKスーパー・オペラ・レッスンの先生だけあります。実に見事で美しくて、キャラに合った歌唱をしています。しかし、残念なのは、このボニー盤は、すでに廃盤となっていて、売れ残りか中古でしか入手できない事です。おまけに、トニーを歌っているボールが、ちょいともの足りないです。
ま、ヘイリー&グリゴーロ盤はかなり品薄になっていますが、探せばまだ購入できそうですし、バーンスタイン自演盤は、市場に潤沢に出回っているので、いつでもお買い求めできます。そうそう、バーンスタイン自演盤は、以前のものは二枚組(私が所有しているのはこのタイプ)でしたが、今はそれが一枚にまとまっていて聞きやすくなっているのが良いですよ。なので、テ・カナワのオバサン声に我慢できれば、こちらの選択も十分アリアリです。
映画のサウンドトラック盤とか、ブロードウェイ・オリジナル・キャスト盤は「ウェスト・サイド・ストーリー」をポピュラー音楽だと割り切れるならば、これはこれで面白いのですが、私のようなクラヲタには物足りなくて仕方ないです。
今月の金魚
みんな元気ですよ。特に動きはありません。
今月のひとこと
関東、梅雨入り? なんか、早くねー??(2011年5月28日〜6月1日)
六月になったので衣替えをしようと思ったら…涼しいじゃん。この陽気なのに上着を着ないで歩いたら、絶対、風邪ひくなあ…。つい先日は、暑くてこりぁあタマランと思っていたのが、嘘のようです。(2011年6月1〜2日)
国難だなあ…。これで、災害復興も原発事故の対処も、遅れに遅れ、延ばしに延ばされて、津波被災者の餓死が増え、日本経済は凋落の一途を辿って、失業者が山のように増えるでしょう。かろうじて定職を保っている人も、収入が減るのに増税されて、苦しい日々になりそう。これでまた夏になると東京周辺で(無)計画停電が行われる事になりそう…。無能なリーダーならいない方がいいのに「嫌われっこ、世にはばかる」ってわけだ。ああ、国難だなあ…。(2011年6月2〜5日)
不二家のネクターロール、うまっ! (2011年6月5〜7日)
仁先生の安道名津、うまいっ!(2011年6月7〜11日)
今年はビワが豊作。(2011年6月11〜21日)
暑いですね…。暑いけれど、“節電モード”って奴でしょうか、どこに行っても暑い。カラダを冷やせる場所がない。もはや私は“歩くスチームアイロン”状態で、指先まで熱々になってます。脳味噌が煮えてしまいそうだ…。(2011年6月201〜24日)
そう言えば、最近“オール電化”のコマーシャルを見なくなったような気がします。以前はあれだけバンバン流していたのに、やはり、節電節電と呼びかけている手前「今更“オール電化”もないでしょう」って事なのかな? しかし、現在、オール電化の家にお住まいの皆さんにとっては、この節電をあおる風潮って、うれしくないでしょうね。自分の家のエネルギーの一切が止まるって…ちょっと想像したくないですよ、私。電気が止まっても、水とガスが確保されていれば、最低限の煮炊きができるけれど、オール電化だとそうはいかないでしょうから。…頑張れ、オール電化人。(2011年6月21〜26日)
昨年は行われた、東劇でのメト・ライブビューイングのアンコール上映、もうすぐ7月だと言うのに、ネットに情報が上がらない(涙)! もしかして、今年はやらないの?? 実は、どうしても見たかった「ワルキューレ」を発表会ウィークという事で断念した私でした。アンコールで見よう…そう思っていたのに(涙)。来シーズンには、その続編の「ジークフリート」と「神々の黄昏」をやるわけだから、ぜひ、アンコールで「ワルキューレ」を見ておきたいのに…やっぱり東劇ではやらないのかな? 東劇でやらないなら、横浜か川崎でやらないかな? とにかく、どこかで「ワルキューレ」のアンコール上映、やらないかな…。日帰りで行けるところなら、行っちゃうよ。(2011年6月26〜28日)
美味しいものって、大抵、健康に良くない。健康に良いものって、大抵、不味い。食の喜びと健康の清々しさと言うのは両立しえないものなのだろうか? あ! 健康に良いものが美味しく感じられるように、自分の味覚をマインドコントロールすればいいのか!?(2011年6月28〜29日)
今月は以上です。よろしくお願いします。