2012年08月22日

やっぱり声楽はオカルトだな(笑)

 声楽レッスンの続きです。今回は歌のレッスンの様子をアップします。

 まずは、トスティの『セレナータ/La Serenata』です。

 一通り歌ってみて、先生がおっしゃったのは「とても、疲れたでしょう…」とのひと言です。まずは力を抜いて、楽に息で歌うようにしましょうって事です。あっちこっちの力を抜いたり入れたり姿勢を変えたりして、まあまあの状態を作ってもらいました。

 その姿勢でもう一度歌ってみました。今度は、歌いだしの“Vola”を、ひと声歌ったところで、ダメが出ました。“声が急に出ている”と言うのがダメの理由なんです。声を出す前に、すでに息が出ている事。それも直線的な息ではなく、十分に回転している息が出ている事、それが大切です(って、オカルトですね:笑)。つまりは、十分に時間を取って、発声のための事前準備をしっかりしておきましょうって事で、準備も無しにいきなり声を出してはダメだよって事だろうと思います。

 とにかく、私には、この曲を『歌おう、歌おう』という気持ちが先行しているのが見えるのだそうです。しかし、この曲は『歌おう』とは思わない方が良いと言われました。音型的に、この曲はテノールの発声練習にピッタリというか、発声練習用の曲と思っているくらいで、ちょうど良いそうで、だからこそ、歌おうと言う気持ちよりも、きちんと発声してみようと思って歌った方が良いだろうとの事です。なので、まずは声の支えをしっかりとし、息をちゃんと流して、お気楽極楽な気分で歌うのが、吉なんだそうです。

 歌より、発声。あんまり真剣にならない事。気合は禁物。そこがこの曲を歌うポイントなんだそうです。

 なので、出だしの“Vola”ばかりを何度も繰り返して練習しました。

 やがて出だしはOKをもらい、さらに進んでいきました。当然、ブレスをしないと歌い続けられないわけですが、次は、そのブレスの事で注意を受けました。

 楽譜に休符が書いてあるかないかで、ブレスのやり方が違うと、先生はおっしゃるのです。
 
 
 休符のある箇所のブレスは、私の今やっているやり方でOKなんだそうです。しかし、休符の無い箇所でのブレスは、私のやり方ではアウトで、休符の無い箇所でブレスをするときは、グルンと息を廻してブレスを取るようにしないといけないのです。…またもオカルトですね。先生は、この“グルンと息を廻してブレスする”ブレスの事を“アクロバット・ブレス”と言ってましたが、これってY先生の造語…じゃないかな?

 とにかく、アクロバット・ブレスは、フルートで言う所の“アーティキュレーション・ブレス”のようなブレスの事だろうと思います。ブレスの場所で、息を吸うのを先行せずに、まずはフレーズの終わりで音を飛ばすように息を吐き、その吐き終えたところで、無意識に息を吸う…と言うよりも、息を体内に入れてブレスをする事がアクスバット・ブレスじゃないかな?って思いました。そしてその際、息そのものはアクロバットブレスで補充するけれど、決してカラダ(下半身ね)は緩めない事が大切だそうです。なので、息はするけれど、気持ちは“スラー”で歌っているような気持ちで、次のフレーズに移行するのです。休符のない箇所でのブレスは、そうやってするんだそうです。

 このように、休符の無い所では、カラダはゆるめていけないのですが、一曲丸まるカラダをゆるめずに歌うのは、無理なので、計画的にカラダをゆるめながら歌うのが、楽に歌う秘訣なんです。つまり“緊張の連続”は不可なんです。ですから、休符のある箇所は、休符に入る前の音符から自然とカラダをゆるめていく事が大切です。フレーズによっては、休符前の音符は、カラダをすでにユルユルにして、溜め息にして歌っても良いくらいなんだそうです。

 このように、休符ってのは、実に休符なわけなんです。ただ、休符の後には必ず音符がやってくるので、休符が来たら、カラダをゆるめると同時に、次の音符に備えて、しっかりと準備をし終えておく事も必要なわけです。これが難しい(笑)。

 “Splende〜”からはレガートで歌う事。“Ah〜”から先は、楽譜どおりに、きちんとしたリズムで歌ってはいけないそうです。まるで、第三者の指揮者がいて、その指揮者の指揮棒に合わせて歌うような気分で歌うのが、正しい歌い方なんだそうです。なんか、難しいね。

 それて、下降メロディの際に、低い音になっても、音の機首はしっかり上向きに歌い、決して墜落しないように気をつける事を言われました。ああ、またもオカルトです。つまりは、低音になっても、音を胸に落とすなって事を言いたいのだろうと思います。
 
 
 さて、次は『優雅な月よ/Vaga luna, che inargenti』です。

 まずは通して歌ってみたところ、リズムを間違えて歌っている箇所が一ヶ所あったので、それを指摘されました。うむ、気をつけよう。

 この曲は、全編に渡って、割と自由にユルめに歌う曲で、楽譜どおりにリズムをキチッと歌うものではないのだそうです。なので、私の気分で、自由にリズムを伸び縮みさせながら歌うのですが、その自由にリズムを伸び縮みさせるのは、あくまで心の中の行いなので、外面に現れづらく、ピアノも合わせづらいので、指揮をしながら歌って欲しいと言われました。

 指揮? いきなり、そう言われても…って感じです。とりあえず、指揮をしながら歌ってみたら、なんか、歌と指揮がバラバラ(涙)。それじゃあダメって事で、急遽、妻が指揮者になって、私の歌に彼女が指揮で合わせて、その指揮を見ながら先生がピアノを弾いてみるという事をやってみました。

 それで大体の事が私も先生も分かったので、次は私自身が指揮を振りながら、再度歌ってみました。とにかく、この曲は、歌とピアノを合わせるのが、とても難しい曲だと言う事は、よく分かりました。本番ピアニストさんと合わせる時も、そのあたりに注意をしながらピアノ合わせに臨んでみたいと思いました。

 この曲の注意は「とにかく、ノドで歌わない事」です。細かい譜割りの部分や高い音(Gですね)をついついノドで歌ってしまう私ですが、それはダメなんです。

 細かい譜割りの箇所はノドで歌うのではなく、クチ開いて、クチの開きで歌うのが良いそうです。「エイリアンって知っているでしょ? あのエイリアンのように、クチの中からもう一つのクチを出して歌うんですよ」 ううむ、またもオカルトです。

 高い音も、細かい譜割り同様に、ノドで歌わずに、口を開いて歌うのです。そのためには、まずはアゴ関節が自由に開かないといけないわけで…アゴを動かすのが下手な私では、そこのところが上手くいきません。もちろん、息は流しっぱなしで歌うわけです。何度かトライして、ようやくOKがもらえましたが、その時の感覚は「こんな楽に歌っていいの?」って感じです。先生曰く「そうやって歌った方が楽だし、音色もキレイですよ」との事です。とにかく、ノドで歌っていると、何一つ、良い事はなさそうです。

 この曲は、極端に休符がありません。なので、アクロバット・ブレスばかりしないといけません。なんか、大変です。アクロバット・ブレスは、息を吸うよりも、息を吐く方に重点が置かれたブレスだと思います。息を吐くのが下手な私には、なかなか難しいブレスです。

 とにかく、息を吐くのが下手な私は、うまくアクロバット・ブレスができず、どんどん体内に息がたまってしまい、苦しくなり、苦しくて色々ともがくので、曲の後半でいかにも苦しげに歌ってしまい、あげくの果てに、高い音でノドで歌おうとして撃沈するのです。

 結局、私が撃沈してしまう理由は、スタミナの無さとか疲労とかではなく、ブレス下手が原因なんです。きちんとブレスができないために、曲の後半にはカラダが酸欠になってしまい、それで苦し紛れにノドで歌い始めて、撃沈するんです。実に分かりやすい、筋の通った失敗なんです。

 ブレス、つまりは息なんですよ、問題は。

 撃沈しないための方法は、まずは息を余計に吸わない事です。息をたくさん吸うから、吐けなくて困るのです。吐けなくて困るから、苦しくなるのです。苦しくなるから、あっちこっちに余計な力が入って、それで結局、失敗して撃沈するんです。だから、最初から息を余計に吸わなければ、吐くのにも苦労をしないし、失敗も撃沈も無いのです(それはホント?)。

 「いっそ、ブレスで息を吸うのをやめて、息を吐いてから歌ってみませんか?」と言われました。人間のカラダは厚みがあるので、息なんか吸わなくても、カラダの厚みの分だけ(ニュートラルな肺の容積分だけ)の息は最初から体内にあるわけです。だから、ブレスで(息を吸わずに)息を吐いてしまえば、カラダの厚みの分だけの新鮮な息が、瞬時に体内に自然と入ってくるので、その自然に入ってきた息だけを使って歌うように習慣づければ、息が吐けずに苦しむ事はなくなるのです。

 理屈では分かりますが、なかなか歌う前に、息を吸わずに、むしろ吐いて歌うのは、勇気がいりますね。やがては、そうなりたいものですが、今はそんな勇気はありません(小さな人間なんです)。

 まあ、先生はたくさんの事を教えてくれますが、とてもそれらを消化吸収できる余裕がこちらにありません。ああ、レッスンの内容が濃すぎて、消化不良を起こしているよぉ〜。

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