2013年06月19日

プッチーニだからと言って、重く歌っちゃダメですよ

 声楽レッスンの続きです。

 まずは、トスティ作曲『Non t'amo piu!/君なんかもう』から。この曲は、ほぼ仕上がっていて、後は、発声に気をつけながら、細かな調整と、歌い込みと、表現を煮詰めてくる事が必要な段階になりました。

 まずは、発声練習で行なった“高い音程に行く時に軟口蓋をあげて準備をする”に気をつけて歌ってみました。うむ、慣れない事をやるのは大変ですね。大変だけれど、高い音での音程の安定度がグっと増したそうです。でも、大変。早く自分の癖にしないと…。

 次に、母音“ウ”の発声を見直しました。私の“ウ”は、どうにもこうにも響きが浅いのです。この“ウ”の母音の響きを深めるために、“ウ”に“オ”を混ぜるというテクがあるわけですが、これはそろそろ止めましょうという話になりました。「“ウ”に“オ”を混ぜて発声するのは、いかにも初心者っぽいでしょ」と言うのが、その理由です。ですから、“ウ”は“ウ”のままで深い響きをつけて歌いましょうって事です。

 具体的には、もっとクチビルを上手に使って、クチを縦開きにして歌えばいいだけなんです。…いいだけなんですが、それが難しい(汗)。つまり“ウ”の母音を日本語でなく、イタリア語にしちゃえばいいんだけの話なんですよ。ああ、それが簡単にできない私は、生粋の日本人だなあって思いました(軽く言い訳:笑)。

 それと、歌の途中、ところどころ音程が不安定になるところは、腹筋が休んで、代わりにノドやアゴで歌っているところなんだそうです。なので、いついかなる時も腹筋を休ませる事なく、しっかり腹筋で息を支えて歌えば、音程が安定するので、ぜひやるようにと言われましたが…いかに私が腹筋を使わずに歌っていたかを、身にしみて分からされました。だって、腹筋腹筋腹筋…と思って歌っていると、腹筋がツルもの(爆涙)。

 「歌っている時には、どこもつらくならないように歌ってください」とは、先生の口癖ですが、さすがに今回は「歌っていると、カラダがつらいです」と弱音を吐きました。「どこが、おつらいですか?」「背筋と腹筋です」「よろしい、そこはもっともっとつらくなる様に歌ってください」だってサ…。ううむ。

 同じ音程の音が続く時は、しっかりその都度ごとに、お腹を入れ直して歌います。とにかく、歌は腹筋です。とは言え、腹筋に力をいれて固めるのではなく、腹筋を体内にえぐり込む様に「引くべし引くべし」です。うう、つらい。

 また音をすっと消える様に歌い終える時は、全体のボリュームを下げるのではなく、低い倍音成分を減らし、高い音の成分は残したまま、ボリュームを下げるのが正しいやり方なんだそうです。ま、ザックリ言うと、ボリュームを下げる時でも、声のポジションは絶対に落とすなって事です。

 この日は、発声練習もたっぷりやって、声が良い状態なので、あえてプッチーニ作曲『E lucevan le stelle/星は光りぬ』はやらない事にしました。『星は光りぬ』は次回のレッスンでたっぷりやりましょうって事です。

 と言うのは、プッチーニやヴェルディを歌うと(未熟な人は)声のポジションが下がってしまい、せっかく作った良い声をダメにしてしまうからなんだそうです。

 先生がおっしゃるには……『星は光りぬ』などは、ついつい『エ・ルーチェ・バンレ・ステッレ〜』と重い声で歌いたくなりますが、実はこの曲、そんな重い声で歌っては、後半、必ず失敗します。必ず軽い声で歌いだす様に、練習しておいてください。CDなどで、重く歌っているように聞こえても、それはその人の声が、元々重いからそう聞こえるだけで、その人だって、その人なりに軽く歌っているのです。……だそうです。

 ううむ、確かにヴェルディとかプッチーニとか得意レパートリーにしている人は、元々重めの声のテノールさんが多いですね。彼らは元々の声が重いので、軽く歌っても、重く聞こえるのかもしれません。

 それなのに、そんな事を知らない、素人のテノールは、その手の歌を歌う時は、無意識に『この曲は、そんな重い声で歌わないといけないんじゃないか…』と擦り込まれ、ついつい重く歌ってしまいがちなんでしょう。

 で、声がさほど重くもない人が、ムリヤリ重く歌ってしまって、その結果、失敗したとしても、悪いのは、歌手本人であって、それをヴェルディやプッチーニのせいにしたら、かわいそうな気がします。

 まあ、私はお世辞にも声は重くないので、軽く軽く『星は光りぬ』は歌っていきたいと思います。
 
 
 で、妻のレッスンを挟んで、いよいよヴェルディ作曲『Libiamo,  ne'lieti calici/友よ、さあ飲みあかそう(乾杯の歌)』です。

 この曲は、キング先生の時に一度サラっているので、だいたい歌えますが、その時は団体で歌ったので、二重唱ともなると、あっちこっちにアラが見つかります。とりわけダメなのは、数ヶ所、間違ったままの歌詞やメロディーが私のカラダに入っている事です。なので、そういうところは一つ一つ取り出して、きちんと修正して、正しいものを入れないといけません。全くの新曲をカラダ入れるよりも大変かもしれません(ふう〜)。やはり、最初に譜読みをした時に、きちんとしたモノを入れることって大切だね。

 「Libiamo〜」の“mo”のように、メロディーの中で、ポツンポツンと低い音程に落ちる音をしっかり歌ってはいけなく、響きを高く持ったまま、軽く歌う事が大切です。そう言えば、キング先生も「低いところは捨てる」とよく言ってましたね。また“bia”の部分を“ビア”と2音節に分けて歌うのは、いかにも素人くさい(笑)ので止めて、しっかり“ビャ”と1音節で歌うようにしましょうとも言われました。「ん?」と思って、後でプロの方々の歌を聞いてみたら、確かにおっしゃるとおり「リビアーモ」ではなく「リビャーモ」と歌ってますね(汗)。はい、以後気をつけます。

 またこの曲には、いわゆる“コブシ”がたくさんありますが、それらのコブシはしっかりと回す事。回さずに歌うのもアリだけれど、やっぱりしっかり回して歌いましょう。また、いくらコブシを回して歌ったからと言って、そのコブシの後の着地点を間違えない様に、しっかりと腹筋を使って歌うこと。

 いくらイタリア語は日本語の響きと似ているからと言って、カタカナで歌ってはいけません。例えば“scopra”を『スコープラ』と4音節で歌ってはいけません。これは「スコー・プラ』と2音節で歌うべきものだし“s”や“p”に母音をつけてはいけません…って、つけているつもりはないけれど、無意識についているとしたら…やっぱりイタリア語ではなく、カタカナで歌っているというわけで…落ち込むなあ…。

 最後の最後にある“si”の音程が低すぎる…のは、そこを腹筋でなく、アゴの力で歌っているからです。曲の最後だから、力む気持ちは分かるけれど、そこはあえて軽く軽く歌わないと…。音程的にはFで、テノールにはやっかいな音程だからこそ、軽く軽く歌わないとぶら下がってしまいます。そのためにも、Fの音は、しっかり上から取るつもりで歌いましょう。

 リズムは母音で取るもので、子音は母音の前にはみ出して歌うもの。一人でソロで歌っている時なら、さほど気にしなくてもいいけれど、デュエットの時は、子音をどれだけはみ出させて歌うか、二人で合わせないといけません。

 ふう、やることはたくさんあるね。この曲を以前仕上げたことがあるなんて、自分でも信じられません。

 そうそう、この曲は、イントロと間奏がやたらと長いので、舞台の上でただボーっと突っ立ているだけじゃつまらないので、何か小芝居でもやりなさいと言われました。うむ、では、何をしましょうか? ちょっと考えないといけませんね。

 でも、小芝居の前に、ちゃんと歌えるように、歌を仕上げる事が先決ですね。

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