2013年06月25日

演歌と合唱の共通点…なぜ衰退したの?

 先日、道を歩いている時に、ふと思いついた事があります。それは「演歌と合唱には、結構共通点があるなあ…」って事です。今回は、それについて、書いてみたいと思います。

 まず最初に気づいた共通点は『演歌も合唱も、今や衰退の道をたどっている音楽である』という事。ま、合唱のうち、女声コーラスに関しては、ちょっと違うかもしれないけれど、少なくとも、男声コーラスや混声合唱は、演歌と同様に衰退…と言うか、以前と比べると本当に人気が無くなりました。

 では、なぜ演歌と合唱は衰退しているのか、そこを考え出した時に、またいくつかの共通点がある事に気づきました。

 それは、演歌も合唱も『プレ団塊の世代〜団塊の世代が好む音楽』だと言う事です。逆に言うと、団塊の世代よりも下の世代には、演歌も合唱もソッポを向かれた音楽だと言うわけです(もちろん、若くても演歌や合唱を好む人はいますが、それはあくまで少数派です)。つまり、演歌や合唱は、世代とか、時代とかにリンクしている音楽であると言う点が共通しているかなって思いました。

 プレ団塊の世代はともかく、団塊の世代は人数が多いですからね。この世代に愛されたモノ(音楽に限りません)は、彼らが若かった時は、本当に世の中を動かすほどの人気を誇っていましたが、彼らが老いてくるに伴って、少しずつその人気を失っていきました。たぶん、演歌や合唱の衰退も、そういう流れと一緒だと思います。

 もう一つ気づいた事は、演歌も合唱も『海外から入ってきた音楽であって、本来の日本の音楽とは違う音楽である』事です。演歌は、元々、古賀政男という大作曲家が、幼い時に耳にした朝鮮音楽を元にして作り上げた、当時の新しいサウンドであって、演歌の旋律そのものは、日本のものではなく、朝鮮のものです。合唱は…言わずと知れたヨーロッパの教会音楽であって、当然のごとく、日本の音楽ではありません。演歌にせよ、合唱にせよ、そのルーツは外国音楽であり、日本でも一時はブームになったものの、うまく日本文化の中に根付けなかった音楽…というわけです。

 元々、我々の文化にはなかった音楽である上に、ブームを作った世代が、次の世代にうまく引き渡すことができなかったために、衰退している音楽…というふうに、私は認識しました。合ってますでしょうか?

 そして、最大の共通点が…“歌”という事です。日本人は、歌そのものは嫌いではないと思います。それは現在のカラオケの流行をみても分かります。歌が嫌いなら、これほどカラオケが流行る事はありません。しかし、流行っているのはカラオケであって、そこ以外では、なかなか日本人が歌うと言う事はありません。特に、日本のオトナの男性は、まず歌いません。

 オトナの男が歌わなければ、そりゃあ衰退するしかないですよね。
 
 
 もちろん、演歌と合唱には共通点もありますが、違う部分もいくつもあります。

 たとえば、演歌はソロで歌いますが、合唱は団体でなければ歌えません。日本の歌は、ソロまたは斉唱(労働歌などは斉唱ですね)ですから、そういう点では演歌が日本に根付かなかったのは不思議です。また、日本人は集団主義であり、チーム主義であり、チームで一つの事をなし遂げることに歓びを感じる国民性を持っているのに、合唱が日本に根付かなかったのは不思議でなりません。

 日本の合唱は、教会音楽ではなく、歌声喫茶などの、共産主義運動とか社会主義運動などのセクト活動をルーツにしていると,私は考えています。良い例が、歌声喫茶などでよく歌われていた、ロシア民謡って奴でして、このロシア民謡、実はロシアの民謡ではなく、ソ連の赤軍の軍歌とか革命歌だったとか。共産主義と言うと、今ではちょっとマユをひそめる方もいらっしゃいますが、昔は若者の心をグッと捕らえた新しくてかっこいい思想だったんです。結局、日本に共産主義や社会主義は根付かなかったわけで、あの頃、歌声喫茶に通った方々も普通の社会人になってしまって、平凡な日本人になってしまったわけで、日本の社会が、日本に根付き始めた合唱のタネを飲み込んでしまったのかもしれません。

 そう考えると、女性は男性ほど社会と同一化しないので、女性の合唱は日本社会に飲み込まれることなく、独自の発展を遂げて、今に至っているのかもしれません。

 また演歌と合唱の次の違いと言うと…演歌は庶民の音楽で、演歌の隣接領域としては民謡や浪曲があったように思います。実際、元は民謡や浪曲を歌っていた人が演歌を歌うようになったと思います。一方、合唱はインテリ層の音楽で、隣接領域はクラシック音楽だと思います。

 合唱はインテリ層が好むのだから、学校教育に取り入れられたんじゃないかと邪推してます。もしも、インテリ層が演歌を好んでいたら、学校教育に演歌が取り入れられていたと思います。

 普通、新しい風俗習慣が学校教育に取り入れられたら、若い世代からそれを受け入れ、徐々に日本社会に定着するはずなんです。たとえば、日本人のパン食は給食の普及で広がったわけで…。しかし、その学校現場においても、合唱って衰退しているんですよね。どこの学校でも吹奏楽部はなんとか生き長らえていますが、合唱部は無い学校の方が多いくらいです。

 合唱は、コッペパンほどの人気を勝ち得なかった…って事になる…のかな?

 もしも、学校に導入されたのが、合唱ではなく演歌だったら、今頃、どうなっているだろうか? やはり演歌は衰退してしまったかな?、あるいは盛り上がっていたかな? それを考えると、愉快だな(笑)。

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posted by stone at 03:30| Comment(14) | 音楽一般