2017年01月13日

ああ、残念だ残念だ

 声楽のレッスンの続きです。曲の練習に入りました。

 まずは、トスティの「Malia/魅惑」から。この曲は、歌そのものは、すでに歌えるので、特に注意することもないそうです。でも歌うからには…と言うことで、この曲を題材として、支えの勉強をする事になりました。どういう事を学んだのかと言えば、フレーズの中で音の動きに合わせて、支えの拮抗点を動かしていく練習です。

 支えは、基本的には低い音程の時は低い場所で拮抗させ、高い音程の時は高い場所で拮抗させ、上行音型ならば徐々に拮抗点を上げていき、下降音型ならば拮抗点を下げずに頑張るか、ゆっくりと下げていくのです。いきなり高い音程から始まるフレーズならば、休符のうちに拮抗点をいきなり高いところに持っていき、歌いながら徐々に下げていく事も必要となります。ロングトーンを歌うのなら、拮抗点は無意識のうちに下がってしまうのだけれど、そこは頑張ってキープするべきだし、当然、フレーズの途中で拮抗点の方向が変わることだってありうるわけです。それらを理屈ではなく、実際に行いながらやってみたわけです。

 いやあ、しんどい。ちゃんと歌が歌える人たちは、こんな事を意識的/無意識のうちにやっているんだなあ…。ああ、しんどい。自分がいかにちゃんと歌えていなかったか、そして歌うって、実に大変な身体運動なんだなと、改めて感じ入ったわけです。

 次は、ジョルダーノ作曲の「フェドーラ」のテノールアリアの「Amor ti vieta/愛さずにいられないこの思い」です。

 この曲も、危なっかしいところがないわけじゃないけれど、高音Aの部分以外はまあまあ歌えているというのわけで…今回は、高音Aに集中してレッスンを受けました。

 結論から言えば、私は、高音Aを発声できる声帯を持っているし、それに必要な発声テクニックもマスターしています。なのに、高音Aがうまく発声できないのは…単純に筋力不足だからです。支えの拮抗点を、高音Aにふさわしいだけ高い場所に設定する力が足りない(つまり、下からの支えが決定的に弱い)のです。

 先生の指導の元、支えをしっかりと高いところに設定して歌えば、高音Aは当たるのです。問題は、高音Aは当たるだけで、筋力が無いために持続性に欠けるわけで、すぐにぶら下がってしまう事なのです。これは、先生も、レッスンを聞いている妻もガックリなんだそうです。せっかく高音Aが出せているのだから、それをもうちょっとの時間だけキープできればOKなのに…って事らしいです。

 ああ、残念。私も残念に思います。

 その他にも、ロングトーンは、ただ伸ばしっぱなしにするのではなく、声の中に必ず躍動するエネルギーを入れて歌うことを注意されました。また、フレーズの終わりは必ず、次のフレーズの始まりの音を予感させるように、支えを入れて終えるようにする事。また、声は常に支え、途中で息を抜かない事。休符は休みではなく、次の音の準備をする時間であると心得る事。特に高い音程の音を発声する時は、十分に準備に時間をかける事。時と場合によっては、伴奏者を待たせても必要な時間をたっぷりとかけるのです。

 支えは最初っからMAX状態にしないで、必要に応じて、その軽重を使い分ける事。息はデジタルのように階段状にボンボンと上げ下げするのではなく、アナログ的に滑らかにグリッサンド状態で、すべての音を経由しながら上げ下げしていくのです。この息のグリッサンドがテノール発声の要諦であり、要は「高音は腹筋の力で出す」って事なんだそうです。

 だからと言って、力任せはダメなんだけれどね。

 さて、知らない人(っているかな?)のために、次回から取り組む、ヴェルディ作曲「椿姫」のテノールアリア「De'miei Bollenti spiriti/燃える心を」の音源を貼っておきます。

 歌っているのは、ジュゼッペ・フィリアノーティです。この人、前世紀末では、ロランド・ビリャソンやヨセフ・カレイヤと共に、次代を担うテノール三羽ガラスと言われたそうですが、他の二人と比べると、現在のところ、ちょっとばかり地味な感じです。でも、さすがに三羽ガラスと言われただけあって、すばらしい歌唱ですが…どこもかしこも楽譜通りに歌おうとしていて、通常はもっと高い音で歌うところも低い音で遠慮して(?)歌っています。まあ、その方が教材としてはGOODなのですが、オペラの舞台的にはどうなんでしょうね。

 この音源では一曲丸々歌ってますが(当然)、途中でアンニーナ(女性)が出てきますが、その直前までを、今回私を歌います。残りの後半は、そのうちまたチャンスがあったら…って事になりました。

 頑張ろ。

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