2017年06月05日

2017年6月現在の私が考える、高音発声のポイントについて

 クラシック声楽って、案外音域が広いものです。高音歌手はもちろん、低音歌手だって、自分なりの高音へのチャレンジをし続けて歌うのですが、チャレンジ…つまり苦労をして、それを乗り越えて歌うわけです。

 それではなぜ歌手は高音発声に苦労するのでしょうか?

 その人の持っている音域以上の高音を出そうとしているケースは、ちょっと横に置いておくことにして、大抵の場合、ノド声発声のために高音発声に苦労をしているのが、アマチュア歌手の現状だと思います。

 ではなぜ、ノド声だと高音発声に苦労するのか? それはノド声って、往々にして声帯を取り巻く周辺に力が入りすぎて、肝心の声帯の振動を邪魔するからです。

 「声帯の振動を邪魔するって、何?」

 声帯を含む周辺部に力が入りすぎると、その周辺部位が硬直します。ザックリ言うと「筋肉は力が入ると硬くなる」って奴ですね。筋肉が硬くなると、筋肉の動きって悪くなります。声帯とその周辺も筋肉ですから、力が入りすぎて、硬くなると、動きが悪くなって、声帯がうまく伸展しなくなるわけです。

 さらに、力こぶ…じゃないけれど、筋肉って力が入ると、膨らんで硬くなるんですね。ですから声帯とその周辺部が硬くなると言うのは、同時に膨らむってわけで、気管は文字通り“管”ですから、膨らめば、内部の空洞部分が狭くなって、息の流れが悪くなるし、また気管の蓋である声帯が膨らめば、さらに余計に息の流れが悪くなるし、最悪、気管が閉じてしまうことだってあるわけです。そうなると、高音発声どころか、自分で首を絞める事になり、声すら出なくなります。

 ノド声、怖いですね。

 ではなぜ、ノド声になってしまうのでしょうか!

 原因は色々ありますが、一番大きな理由は「その人が“ノドに力の入った声が好き”だから」と言うのは、絶対にあると思います。

 “ノドに力の入った声”とは…感情むき出しの声です。人が興奮している時に出す声って、大抵、ノドに力が入っているものです。そういう、怒鳴り声、怒り声、叫び声、泣き声等、みなノドに力が入っています。人によっては、笑う時すら、グフグフ…とノドを締め上げて、笑ったりするでしょ? 強い感情を歌に載せようとすると、多かれ少なかれノドに力が入ってしまうものなのです。そういう、ある意味、演劇っぽい声(舞台演劇での発声はノドに力を入れる事は必要最低限でしかしないので“演劇っぽい”声と言っておきます)を好きな方って…私も含めて…たくさんいるでしょ? で、自分もそういう声を出そうとすれば…そりゃあノド声になるしかないじゃないですか?

 また、それとは別に、声を出すための息の発動を、ノド周辺で行っている人も多くいますが、そういう人が歌うと、ノド声になってしまう事があります。まあ、それは声を聞いてみると、息が常に浅いので、それと分かります。ちなみに、息が浅すぎる人だと、ノド声どころか、歌声が出なくなってしまうようです。

 では、それらを回避するためにはどうするべきでしょうか?

 まずは、リラックス。脱力です。声帯周辺部に過度な力を加えないようにしましょう。そのために、歌う時は深い息(腹式呼吸)で歌うようにしましょう。これだけで、ノド声リスクはだいぶ下がります。

 次に、クチの奥を縦開きにして、ノドが十分に伸展できるようにしましょう。最後に、声帯を常に(適度に)開けたままでいられるようにしましょう。そのためには、ノドの奥を開くという意識づけが大切でしょう。これらによって、ノド声はだいぶ回避できる…はず…です(笑)。

 で、私自身が気をつけている事を最後に書くなら…、最初は変な声でも、正しい手順を踏んで出た声なら出し続けるようにしています。最初っから立派な声で歌えるわけはないのですから、自分の声が変な声でも良しとしています。要は、そこから鍛え上げて、最終的に立派な声にすればいいのですから。

 あと、音程を強く意識しすぎないようにしています。音程を強く意識すると、発声は二の次で、音程を置きに行くような発声になります。音程を置きにいく歌い方では、発声はいい加減になってしまいがちですからね。発声をきちんとしないと、結局、高音は出ないままになってしまいますからね。

 2017年6月現在の私は、高音発声に関して、こんなふうに考えているわけでした。

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posted by stone at 03:30| Comment(6) | 発声法のエッセイ