2017年06月22日

最初の先生選びは大切なんだけれど…

 別に音楽に限らないのだけれど、最初に師事する先生の選択って、とても大切だと思います。だって、最初の先生からは、基礎の基礎を習うわけだし、その後に続く音楽人生の根本的な事を学ぶわけです。ここで間違った事を教わったり、方向違いの事を学んでは、無駄足どころか、才能や興味ややる気を潰されかねません。そういう意味でも、最初の先生選びって、とても大切だと思います。

 でも現実は、先生を選べるほど贅沢な環境にいる人って…そんなにいませんよね。大都会とか、高級住宅地周辺部なら音楽関係の先生もゴッチャリいるでしょう。あるいは、子どものピアノ教室ぐらいなら、かなりの地方にでも行かない限り、ご町内に数名程度はいるでしょう。また、ちょっとした繁華街がある町なら、大手楽器店主催の音楽教室だってありますから、選択肢に限りはあると言えども、なんとか先生を選ぶ事ができるでしょう。

 問題は、地方都市とか、もっと地方都市とか、もっともっと地方都市に住んでいたり、あるいは声楽を含んだマイナー楽器(フルートなんぞはここに入るでしょう)を習いたいと思った時です。特に現役世代の男性だと、時間もままならぬ事が多いので、更に輪をかけて、先生を見つけにくいという現実があります。

 いや、それ以前に、先生そのものが選ぶどころでなく、ご近所には一人もいなかったりする事だってあります。そうなると、思いっきり遠距離の先生に師事せざるをえないわけで、実際、私の知り合いでも、電車に片道1時間乗ってフルートを習いに行っている方がいたり、新幹線に乗って声楽の先生のところに通っている方もいらっしゃいます。その姿勢には頭が下がります。

 レッスン代よりも交通費の方にお金がかかるといったケースだって、稀ではないと思うのです。

 音楽の先生を見つけるのって、特に最初の先生を見つけるって、こちらにツテがない事もあるけれど、本当に難しいです。とても選ぶどころの話ではありません。

 それにだいたい、音楽関係の先生たちって、看板を出さず、電話帳にも乗せず、ネットにすら情報を出さずに営業している人もたくさんいるわけじゃないですか? その世界に数年いれば、そういう先生たちの存在も知り、連絡を取ることも可能だけれど、全くの初心者の頃は、連絡すら取れないわけで、本当に先生探しに苦労します。

 そうやって、見つけ出した先生が、良い先生ならば、その人は恵まれた人であると言えます。最初の先生が、たいした人でなかったり、自分の学習目標とは合わなかったり、人間的に合わなかったりしたら、ダメダメですもの。

 せめて、町の音楽の先生が免許制で、どの先生も最低限の演奏能力と教授能力を有している事が保証されていれば良いのですが、現実はそうではなく、演奏はできても、他人に教える事ができない人だったり、演奏能力そのものに問題があったり…なんて人も、町の音楽の先生をやっていたりするんだから、困ったものです。

 よく「音楽を学ぼうと思ったら、複数の先生に師事することが大切だよ」と言われます。これは同時に複数の先生から学ぶ…と言うのではなく、一人の先生にある程度習ったら、ドンドン積極的に先生を変えていく事が大切だという意味です。

 先生にも得手不得手があるわけだから、その先生の良い部分を学んだら、次の先生に足りない部分を補ってもらう…という事もありますが、先生を変える事を前提に考えれば、最初にハズレの先生に付いたとしても、次の先生で挽回してもらうという事も可能になります。そういう意味で、先生を変えていくのは大切ですし、いずれ先生を変えていく…という前提があれば、最初の先生選びも、それほど深刻になる必要がなくなるかもしれません。「この先生、合わないかも…」と思ったら、次の先生に移動すればいいわけです。

 でも私達は人間だもの、情がわくんだよね。ダメな先生かも…と思っていても、なかなか縁を切れないのが、普通に人の感覚ですから、そんなに簡単に先生を変えられないのも現実だったりします。

 ああ、やっぱり最初の先生選びって難しいなあ。

 私個人の話をすると…最初の声楽T先生は、はっきり言って失敗だったなあ。指導力があまりなくて、教えることもありきたりで、おまけに人間的に相性が良くなかったと思います。あれこれあって放逐されて、その後20年近く音楽から遠ざかってしまったのも、その先生のおかげですから(汗)。

 二番目のキング先生は、音楽の楽しさを教えてくれた先生で、よく遊んでくれました。その点については感謝しています。でも教える方はカラッキシで、ちゃんとした歌い方を教えてもらった覚えはなく、声楽テクニック否定派の先生で、テノールの声帯を持っている私を伸ばす事ができず、偽バリトンにしようとしていたくらいの人です。もう少し長く習っていたら、ノドを潰していた事でしょう。危ない所でした。

 三番目のY先生は、キング先生とは真逆で、あまり遊んでくれません。その代わり、みっちり教えくださる方で、声楽テクニック皆無だった私に、筋道立てて、声楽テクニックとその論理を教えてくださってます。おかげさまで、この先生について、私は始めて歌が上達している事を実感しています。

 フルートの最初の先生は、ジャズの笛先生で、この先生には、本当によくしてもらいました。基礎をきちんと教えていただきましたし、音楽は生き物である事を教えてもらいました。一方、私が未熟だったこともあるけれど、大雑把に仕上がっていれば良しとしてくださっていたので、私のフルートには緻密さが欠落していたわけです。

 今のH先生には、音楽演奏における緻密さを仕込まれている最中です。また、演奏以外にも多くのことを教えて下さいます。そういう意味では、いかにも先生先生した先生です。音大教授の前歴もあるため、お弟子さんも星の数ほどいるわけで、いかにも教え慣れている先生で、フルートを習っていても、なんか安心して学べる、安定さを感じています。ただ、最近、引退を考えているような事をおっしゃってますので、いつまでH先生に習い続けられるか、ちょっと心配だったりします。

 ヴァイオリンは、一人の先生にしか習えませんでしたが、これは私のわがまま(さすがに声楽とフルートとヴァイオリンの3つを習い続けるのは、時間的に無理でした)で辞めてしまったので、今でも申し訳無さを感じています。教え方も型どおりではなく、私の必要と実力を見極めて教えてくださっていたので、この先生にある程度習えていたら、私のヴァイオリンももいっぱしになっていたかもしれません。そういう意味ではとても残念だったりします。

 ひとまず私の場合、今習っている、声楽の先生もフルートの先生も、良い人で良かったですし、お二人に習っていて、私が上達している事を私自身が実感できている事が何よりです。

 楽しく遊んでくれるのも嬉しいのですが、やはり上達しなきゃ、何のために謝礼をお支払して学んでいるのか、分かりませんからね。

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posted by stone at 03:30| Comment(6) | 音楽一般