2021年02月01日

なぜ楽譜のコピーは無くならないのか?

 楽譜をコピーして配布する事は著作権法で禁止されています。もちろん例外はあって、コピーして使えるケースもあります。詳しくはこちらの文化庁のページを見れば解説してくれます。

 実は私、コピー譜を使ってます。もちろん、書籍としての楽譜をきちんと購入し、そこに直接書き込みをしたくないため、使用するページをコピーして、それを利用しています。もちろん、書き込みなどはコピー譜にします。

 これは「私的使用のための複製(第30条)」で

>家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。

 と定められているので、法的に問題が無いはずです。

 まあ、私の場合、道楽目的でコピーをしているので無問題ですが、プロの音楽家が同じ事をした場合は、仕事という目的のためにコピーをしているのだから問題となるのでしょうか? それとも、元々の書籍の楽譜をきちんと購入しているので無問題なのでしょうか? 私的には適法だろうと思うけれど、プロの法曹家の方々はどう考えるのかしら?

 アマチュア合唱団等で、団で購入した一冊の楽譜をコピーして団員のみんなで使用する場合は問題になるのかな? さすがに“家庭内”とは言い切れないし、それぞれの団員が当該楽譜を購入すればいいのだから、違法コピーであると言われそうだね、ってか、たぶんこれは、それぞれが楽譜を購入するのが正解であって、コピーしちゃえばアウトなんじゃないかと思います。

 無論、プロの合唱団等が同じ事をすれば、彼らは仕事で楽譜を使うわけだから、明らかにアウトだよね。

 学校の合唱部が同じ事をしたら、どうだろう? 「教育機関における複製等(第35条)」に、学校での著作物の複製は認められているけれど、

>ただし,ドリル,ワークブックの複製や,授業の目的を超えた放送番組のライブラリー化など,著作権者に不当に経済的不利益を与えるおそれがある場合にはこの例外規定は適用されない。

 とも書かれているんだよね。楽譜がドリルやワークブックに相当するものだとすれば、コピー譜の使用はやはりダメで、部員全員に楽譜を購入させないといけない事になるわけだ。

 10人しかいない合唱団で楽譜を10冊買って、演奏会が終わったので、それらの楽譜を合唱団で保管する事にして、その最初の演奏の10年後に、同じメンバーでそれらの楽譜を使うなら、無問題だと思うけれど、その10年間でメンバーが入れ替わってしまって、別の10人がその保管された楽譜を使う場合は、どうなのでしょうか? 楽譜は団のモノだから無問題なのかしら? それも人が変わったのだから、新しい10人はそれぞれに新しく楽譜を購入しなくても違法にならないのかしら? また使用するのが現物でなくコピー譜だったら、どうなるのか?

 色々なケースがあるし、適法が違法かも分かりづらい例もあるけれど、現実を見れば、世の中にはコピー譜がはびこっていると私は考えます。

 楽譜にお金を使いたくない…というケチくさい人もいるだろうけれど、わざわざ購入するよりも、手元にある現物をコピーした方が楽だからという怠け者思考の人も大勢いると思われます。あるいは絶版となった楽譜で、もはや入手不可能だからコピー譜を使うとか、音源を耳コピして自分たちで譜面起こしをして作った楽譜だから、それをコピーしたって平気だよって考えているとか…。

 私も正義マン面して、世間の皆さんを断罪したいわけではありません。ただね、著作権法って、普通に暮らしていると、あんまり馴染みのない、よく分からない法律で、これを遵守しなさいって言われても、ピンと来ないと言われると、まあそうだよねって思うんです。

 あと、罰則が明確ではないのも問題かもしれません。楽譜を無断コピーしたら、刑務所に一週間入らないといけない…とかいう罰則が付いていたら、みんな守るだろうけれど、実際は、手元の楽譜をコピーして友人に配ったとしても、何のお咎めも無いのが日常だから、抑止力なんて全く無いに等しいわけだ。

 ただ、楽譜のコピーがはびこれば、作曲家とか編曲家と楽譜出版社とかにお金が入らないわけで、お金が入らなければ彼らの生活が苦しくなるわけで、作曲家や編曲家が食えなくて廃業してしまったり、楽譜出版社が潰れてしまって楽譜が買えなくなるかもしれません。

 それは音楽を道楽している身にとっては困る事だけれど、世間一般の人たちにとっては、たぶん“どうでもいい事”なんだと思います。

 だから、楽譜のコピーは無くならない…って私は思うのです。何か良い解決方法はないものでしょうか?

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posted by stone at 04:00| Comment(1) | 音楽一般