2019年09月10日

メトのライブビューイングで「セヴィリアの理髪師」を見てきました

 ただ今、メトのライブビューイングは、アンコール上映真っ最中です。

 今回の私は、2007年に上映された「セヴィリアの理髪師」を見てきました。2007年と言えば、メトのライブビューイングが始まった年であり、まだまだ番組フォーマットも固まっていなかったのでしょうね、今とはあれこれ違っていました。

 序曲部分のために、簡単なアニメーションが作成され、そこでタイトルや歌手たちの紹介をしていました(そんな手間のかかる事は今ではやっていません)。インタビューは、番組プロデューサーや劇場支配人等の裏方のエライさんが行っていました(今はホスト役の有名歌手たちがやっています)。幕間はひたすら客席を映していました(今は舞台裏の映像を流していて、これが結構面白いです)。

 この「セヴィリアの理髪師」はその年の最後から2番目の上映作品だったので、次回作の紹介はもちろんやっていましたが、次年度の作品の紹介はありませんでした。今なら、この時期だと、もう来年度のラインナップが決まっていて、次年度の演目紹介があるのですが、まだ最初の年だった事もあり、次年度やるかどうかも発表できなかったのでしょうね。

 さて、オペラ本体の話に入ります。

指揮:マウリツィオ・ベニーニ
演出:バートレット・シャー

ロジーナ:ジョイス・ディドナート(メゾソプラノ)
アルマヴィーヴォ伯爵:ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)
フィガロ:ピーター・マッテイ(バリトン)
バルバロ:ジョン・デル・カルロ
ドン・バジリオ:ジョン・レリエ

 ロッシーニ歌いのディドナートとフローレスが揃ったスター公演です。いかにもメトっぽい舞台で、これが悪いはずがありません。実際、とてもよかったよ。

 それにしてもスター歌手ってすごいね。歌が上手なだけでなく、舞台にいるだけで衆目を集める力をもっているわけで、実に華がある存在です。オペラそのものを楽しむなら、必ずしもスター歌手は必要ではないかもしれないけれど、スター歌手が出演している舞台は、味わいが1つも2つも違うねえ…。こりゃあチケット代が多少高くなっても見に行きたくなりますね。

 実際の話、メトのライブビューイングは出演歌手の違いでチケット代は変わらないけれど、ロイヤル・オペラのライブビューイングは、スター歌手が出演すると、チケット代が割増になるんだよね。ちなみに、メトの場合は、スター歌手の出演ではなく上演時間がむやみに長くなると(具体的にワーグナーの楽劇などの場合)チケット代が高くなります。一般のオペラだって上演時間は、普通の映画の倍近い時間がかかりますが、ワーグナーの楽劇の場合は、3倍近い時間がかかわるわけで、映画興行的に考えるなら、ワーグナー作品の上映は、チケット代割増でも仕方ないかなって思います。

 それにしても「セヴィリアの理髪師」は捨て曲がないね。キラーソングが惜しげもなく歌われ続けるね。そして、それら一曲一曲がやたらと難しいので、まるで曲芸を見ているような気分になりながら、歌を聞いちゃいます。歌謡性と技巧性の両立とは…やっぱりロッシーニって作曲家はすごい作曲家です。

 舞台装置は扉を多用していて、いかにも演劇的ですが、舞台上に大きな反響板がないので、歌う歌手的にはかなりつらいかもしれません。まあ、観客的には問題ありませんがね。

 そうそう、舞台装置と言えば、まるで宝塚の舞台のような張り出しがあって、オケピの前でもお芝居が行われて、実に面白かったです。オペラではあまり見ない舞台なので、ほんとビックリしちゃいました。

 それにしても、このアルマヴィーヴォ伯爵が『フィガロの結婚』の伯爵になるのかと思うと、なんか感慨深いものがあります。月日は彼をあのような俗人に変えてしまうわけなのですね。

 やっぱ、スター歌手が出演している舞台は、ほんと、楽しくていいねえ。


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posted by stone at 05:00| Comment(0) | 歌劇
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