2019年09月11日

響きの高い低い

 よく声楽関係のアマチュアのブログを見ていると、響きの話が出てきます。かく言う私も、ブログでよく響きが高いの低いのと書いてますわな(笑)。

 ところがこの響きの話と言うのは、分かる人には分かるのだけれど、分からない人には全然分からないようだという事に気づきました。それも声楽に興味がない人が分からないのは当然としても、声楽が好きとか、声楽を学んでいますという人の中にも、この響きの高低の話が分からないという人がいるので、私が理解している範囲で解説してみたいと思いました。

 私の個人的な理解だから、間違っていたらごめんなさいね(と、予防線を張っておく:笑)。

 響きの高い低いとは、同じ音程の声でも、明るくて軽い印象の声の特徴を“響きが高い”と言い、もっさりしてさえない印象の声の特徴を“響きが低い”と言います。

 つまり、響きに関していえば、“高い”“低い”は声の特徴として併存するのではなく、“高い”が正義であり正しいのであって“低い”はダメなんです。

 だいたい響きが“高い”と言われて注意されることって、まずありません。注意される時って、ほぼほぼ響きが“低い”時でしょ? つまり声の響きと言うのは高ければ良いのであって、低いのはダメなんですよん。

 と言うのも、響きが高い声の実態は、響きが豊かという事であり、響きが低い声の実態は、響きが貧弱という意味なのです。

 「彼はテノールだから、響きは高くないといけないけれど、私はベースだから、響きは低くてもかまわない」なんて事はないんです。テノールだろうが、ベースだろうが、ソプラノだろうがアルトだろうが、響きは高くないといけないのです。ローバスだって、響きは高くないと、何を歌っているの分からないし、魅力的な声にはなりません。

 音程の高い低いと、響きの高い低いは、直接的には関係ありません。ただ、響きが高い声でないと、音程の高い声は、まず出ないのだけれど…。

 音って、パイプオルガンとかアナログのシンセサイザーとかを見ると分かるけれど、複数の音が組み合わさって、一つの音を作ります。その組合わさり方が美しい音が楽音であって、美しさに重きを置いていない音が噪音なのです。

 で、音楽で使う音(声)は楽音なのですが、その楽音であっても、組み合わされる音の数や種類が豊富なものほど複雑で、美しい音となり、組み合わされる音の数が少なくバラエティーも狭い時は、単調な音になります。この時の、美しい音は“響きが高い”と言われ、単調な音の方は“響きが低い”と言われるわけです。

 オシロスコープの音とか、パイプオルガンのレバー一つだけ引いたような音は、響きが低い音と言えるし、ヴァイオリン等の擦弦楽器の音は響きが高い音と言えます。

 じゃあ、響きが低いと言われたら、どうしたら良いかという件だけれど、単純に口腔内の容積を増やせば、自然と響きは高くなります。つまり、響きの低い声ってのは、クチの中が狭くて、直接的な声って言えます。まあ、そういう声って、マイクのノリは良いので、ポピュラー・ソングでは悪くないのだけれど、声楽向きではないでしょうね。

 あと、緊張感がなく、ダラっと発声していると響きは低くなります。しっかり声を支えないと、響きって低くなりがちなんだよね。これはハミングをしてみると分かります。ハミングをして、クチの中が振動してかゆくなる箇所があるでしょ? これって、声の支えでかゆくなる箇所が変わるって知ってましたか? 

 たとえば、ハミングをして、声が振動してかゆくなるのが、ノドとか下の歯の付近だと、かなり響きが低いんです。上の歯とかでもまだ低い。最低限、鼻腔とかもっと上の部分で振動を感じないと、響きって低くなってしまうのです。

 しっかり支えて、クチの中を大きく広げると、響きの高い声になり、話し声の延長で発声すると、響きの低い声になってしまう…ってわけなのです。

 お分かりでしょうか?


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posted by stone at 05:00| Comment(0) | 発声法のエッセイ
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