2020年01月14日

映画館で、ロイヤル・オペラの「ドン・パスクワーレ」を見てきた

 標題の通り、ロイヤル・オペラの「ドン・パスクワーレ」を見てきました。

 「ドン・パスクワーレ」はドニゼッティの作品です。音楽は最高なんだけれど、ストーリーは実にクズでダメです。今回の上映版では、設定を現代に置き換えたもので、どうなんだろうと思ったものの、まあ、細かい部分はアレコレ辻褄が合わないし、不自然だけれど、大筋としては、アリな感じがしました。つまり、細かいところに目をつぶれる寛容さがあれば、現代劇に置き換えても、まあ良しって感じのストーリーです。

 ただ、現代劇に置き換えると、登場人物たちのクズな部分が直球で表現されてしまうので、見ていて、実に切なくなります。ほんと、私のような老人が見ると、実に後味悪いんですよ。ほんと「ドン・パスクワーレ」って、老人を馬鹿にしたオペラですからね。この演出だと、主人公のドン・バスクワーレ」は、若者たちに散々にからかわれて、いたぶられた挙げ句、家と財産を取られて、老人ホームに送られてしまう(つまり“ジジ捨て”だね)んだから、なんともやるせないです。実に悲しい物語です。ジャンル的には喜劇なんですが、ちっとも笑えません。

 だいたい、甥のエルネストなんぞは、ジジイの財産を当てにするくらいなら、まずは汗水たらして働けよ!と言いたい気分です(エルネストは、いい年して、ドン・パスクワーレに養われている無職野郎なんですよ!)。そもそも、ヒロインのノリーナは後妻業だし、マラテスタに至っては、ただの美人局です。もう、クズを通り越して、犯罪者集団じゃん。これじゃあ、笑えなくても仕方ないよね。

 なので、演出とか、そもそものストーリーとかは、見る人を選びますが、音楽は絶品なのは間違いないです。

  指揮:エヴェリーノ・ピド
  演出:ダミアーノ・ミギエレット
  ドン・パスクワーレ:ブリン・ターフェル(バリトン)
  ノリーナ:オルガ・ペレチャッコ(ソプラノ)
  エルネスト:イオアン・ホテア(テノール)
  マラテスタ:マルクス・ヴェルバ(バリトン)

 ほんと、音楽は最高でした。歌手たちは、演技も良いし、歌声は実に抑制が効いていました。ベルカント・オペラなんですから、もう少し、歌い飛ばす系の人がいても良いかな?と思いましたが、まあこれはこれでアリでしょうね。そういう意味では、演劇寄りの上演なんだと思います。この上映は、最初に見るべき演出ではないと思いますが、これはこれでアリな演出です。

 とにかく私、この上映を見て、その足で楽譜屋に行って、ヴォーカルスコアを買ってしまったくらいですから(笑)。あれこれ、歌ってみたい曲がたくさんあるんだよね。それくらい、音楽は絶品ですって。

 今回は日比谷で見てきたのですが、今まで“TOHOシネマズ 日比谷”で上映していたロイヤル・オペラですが、今回からは“TOHOシネマズ シャンテ”に上映館が変更になりました。はっきり書いちゃうと、シャンテは映画館としては、小綺麗にしているものの、作り的に昭和な感じがして、とても残念な映画館でした。次回もシャンテで上映するなら、あれこれ準備をして、覚悟を決めて行かないといけないかなって思いました。今後も、シャンテで上映するなら、もう少し料金を安くしてもいいんじゃないかなとも思いました。“TOHOシネマズ 日比谷”と同じ料金ってのは、解せないよ。

 もっとも、お客さんは驚くほど入っていませんでした。ほんと、ガラガラだったのよ。シャンテって、それなりにキャパのある大きめな映画館なのに、勿体ない感じがしました。“TOHOシネマズ 日比谷”の方が、もっと小さなキャパのスクリーンがあるので、そっちの方がふさわしかったんじゃないの?と、思わないでもないです。

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posted by stone at 04:00| Comment(0) | 歌劇
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