2020年01月28日

映画「キャッツ」を吹替版で見てきた

 ネット(特に海外)では、だいぶ不人気な映画ですが、私は楽しめました。点数をつければ、100点満点の70点ぐらいかな? まあ、若干の不満はありますが、それはそれで楽しく見れました。

 ちなみに私が見たのは、吹替版の方です。ですから、字幕版の方がどうなっているのかは知らない事。その他のキャッツとしては、日本の劇団四季での上演版と、映像版(1998年にロンドンで収録)の2つを知っている事。で、この2つをまとめて言う時は舞台版という言い方をします。という前提で、以下の記事を書きます。

 まず、舞台版と比べると、映画版には、カットされた歌やシーンがあった事と、新たに付け加わった歌やシーンがありました。まあ、これ自体は、映画化されたミュージカルにはよくある話で、媒体の違いもあるので仕方ないと思います…が、しばしばカットされた部分が好きな人もいたりします。

 私に関して言えば「けんかネコ ランパスキャット」の歌とシーンがカットされた事は、まあ仕方ないと諦める事ができます。でもね「劇場ネコ ガス」は、シーンは残されたものの、歌の部分は全部セリフになってしまっていたのが、とても残念です。ガスの歌のメロディーって、なかなかいいメロディーなんだよねえ…。劇団四季版だとガスのシーンの中に、グロールタイガーのシーンが挿入されるわけで、そのグロールタイガーのシーンって、私はとてもとても大好きなんだけれど、そのシーンもまるまるカットされました。まあ、映像版でもグロールタイガーのシーンは無かったし、これが入ると、ストーリーの流れが悪くなると思うので、カットは仕方ないとはいうものの、個人的にはほんと残念なんです。

 歌が一部セリフになっていて残念と言えば「ネコの名前の付け方」と「ネコに話しかける方法」の2曲はかなりの部分がセリフに置き換わっていました。うーん、ちょっと許せない感じがします…。

 ネコたちのキャラクターが舞台版と映画版で異なっているのも、まあ仕方ないとは言うものの、その変更が納得できないのもあるわけで、私的には、映画版では主人公になったヴィクトリアが白猫ではなく、薄いヒョウ柄のネコになっていたのは、かなり残念です。やっぱ、ヴィクトリアは白猫でしょ? あと、舞台版では堂々とした魔術師ミストフェリーズが、映画版ではおどおどした小心者になっていたのは、ミストフェリーズ大好きな

私としては、やっぱり残念でした。

 おそらく、多くの人が問題視するだろう、長老デュトロノミーがオス猫からメス猫へ変更された事は、私はすんなり受け入れました。ただ、舞台版のデュトロノミーは、立派な声でたくさんの曲を歌うキャラなのですが、映画版ではほとんど歌わず、セリフばかり言っていたのが残念です。もっと、デュトロノミーに歌わせてほしかったですよ。

 些細な事ですが、ネコたちが、しゃべる(つまり人格を持っている)ネズミやゴキブリを食べるのは…ちょっとイヤでした。それも、踊り食いだよ。ちょっとグロいよね。

 画面が常に揺れていて、なんか落ち着きがないのが気になりました。また「キャッツ」はダンスミュージカルなので、ネコたちは力強いダンスを踊るんですが、そのダンスがあまり感動的じゃないんですよね。おそらく振り付けに問題があるのではなく、ダンスシーンの撮影に問題があるんじゃないかと思います。つまり、監督さんはストーリーを語るのは得意だけれど、ダンスを見るのはあまり好きではないのかもしれない…って思いました。

 以上が、私にとってのマイナス点です。

 一方、プラス点もあります。

 舞台版には主人公がいません。そのため、ややもするとストーリー展開が散漫になっている印象がありますが、映画版にはヴィクトリアという主人公がいます。そのため、キャッツの世界に入りやすくなるし、ストーリー展開も分かりやすくなっています。

 海外では不評だった、ネコのデジタルコスチューム(つまりCGね)だけれど、私は全然OKでした。あれをネコとしてみれば、グロテスクだし、夢に出てきそうなくらい気持ち悪いのだろうけれど、人間として見れば、全身タイツで猫耳付けて踊るダンサーのようなもので、全然気になりません。

 敵役としてのマキャビティーの扱いも良かったと思います。

 ヴィクトリアの歌う新曲には期待していなかったのですが、案外、良い曲だったので、得した気分でした。

 と言う訳で、私的には70点の評価になったわけです。でも、最初に書いた通り、これはこれでアリだと思うし、私は楽しめましたよ。ロイド・ウェバーが書いた音楽に変わりはありませんからね。で、この映画で「キャッツ」に興味が持てたら、ぜひ劇団四季の「キャッツ」を見て欲しいと思います。私にとって、劇団四季の「キャッツ」は、ほぼ100点満点ですからね。地方に住んでいて、劇団四季の舞台を見れない人は、1998年制作の映像版を見るといいです。この映像版は、私にとって90点なんです。マイナス10点は、グロールタイガーのシーンがカットされている事と、画質が古くて荒い事かな?


 さて、映画の出来とは別に、吹き替えに関して書きます。

 ミュージカルは一般的に、上演される土地の言葉に訳して上演されるのが一般的ですから、今回の「キャッツ」も吹き替えで見るのが、まあ当然と言えば当然ですし、私もそのつもりで吹替版で見たのですが、かなり後悔しています。と言うのも、吹き替えの出来が、正直、あまり良くなかったのです。少なくとも、ディズニー映画の吹き替えと比べちゃうと、てんでダメなんです。

 とにかく、言葉が聞き取れないんですよ。私は内容を知っていますから、このシーンではこんな事を歌っているに違いないという先入観があって、なんとか歌っている歌詞を推測する事ができましたが、初見の人だと、どれだけ歌詞を聞き取る事ができるのかしら? そもそも歌手の技量が低くてきちんと歌えていないのか、作詞家の腕が悪くて歌詞がダメなのか、音響監督の腕が悪くて歌を聞き取りやすく録音できなかったのか、その両方なのか、あるいは全部なのか。とにかく、歌詞の聞き取りに関しては、かなり厳しかったですね。改めて、ディズニー映画のミュージカル吹き替えのレベルの高さを感じましたし、劇団四季の歌手たちの技量の高さを確認してしまいました。

 歌詞がロクに聞き取れなかったので、ミュージカルの山場で歌われる「メモリー」も全然感動できませんでした。あのシーンは、必ず胸アツになるんですが…この吹替版だと、そこまで感情が沸き立ちませんでした。

 これから映画版「キャッツ」を見に行く人は、字幕版の方が良いかもしれません。たぶん、字幕の方なら(歌詞はオリジナルのままですから)胸アツになれるし、泣けるかもしれません。

 それにしても、吹き替えを作る時に、定評ある劇団四季の浅利慶太の歌詞を下敷きにして日本語訳を作ればよかったのに…なぜ、そうしなかったのかな?

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posted by stone at 04:00| Comment(0) | 歌劇
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