2020年02月14日

激安フルートは、どこがマズイのか?

 まず、激安フルートの定義をしないと話になりません。この記事では、3万円以下のフルートを激安と呼ばせていただきます。3万円以下と言っても、3万円前後ではなく、実際は1〜2万円程度の価格帯のモノが主流となるでしょう。

 さて、この激安フルートは、一般的に「安物買いの銭失い」として、ネットでは見下されている感がありますが、実際問題として、そんなに悪いものなのでしょうか? もちろん、安物には安物なりの理由がありますが、それを理解して使う分には、むしろコストパフォーマンスの良い楽器であるとも言えるのではないでしょうか?

 実は私も、激安フルートは2本ほど持っています。1本は材質不明(クロームメッキと思しき安物メッキの下の地金の色は金色なので、銅製か真鍮製かクズ金属製でしょうね。とにかく怪しい一品です)のフルートで、もう1本はプラスチック製のフルートです。

 材質不明のフルートは“チャイナ娘”という名前をつけて、入門期にはメインフルートとして使っておりました。プラスチック製のフルートの方は“プラ子”と命名し、練習用のフルートとして、たぶん、今は一番多く吹いているフルートだろうと思います。

 チャイナ娘を購入したのは、私がフルートを始めた頃なので、同じモデルはもう無いようです。こちらのフルートが後継モデルでしょうか?…うわっ、私が購入したモデルの倍近い値段がしているよ。おそらく、私のフルートより、だいぶしっかりした作りになっているようです。


 プラ子の方はこちらです。


 まずチャイナ娘の方から欠点を上げていきます。

 チャイナ娘の最大の欠点は…安すぎる事です。ほぼ1万円だったんですよ。

 フルートって買い切りの楽器ではなく、結構マメに調整をしていかないと使い物にならない楽器なんですが、こんな安いフルートに、わざわざお金を払って調整したいと思いますか? これくらいの安物フルートとなると、普通のフルート職人さんは調整を引き受けてくれません。調整するためには、購入店に持っていって、メーカーで調整をしてもらう事になります。調整は時間もかかるし、お金も5千円〜2万円近くかかります。それだけの時間をお金を使って、調整する価値が、この安物フルートにはあるでしょうか? と言われれば、私は即答で「ありません」と答えちゃいます。だって、それだけの調整費用を使うなら、新品がもう一本買えるじゃん。

 つまり、使い捨てフルートなんですよ。お試しフルートなんです。

 そう割り切って使うなら、特に大きな問題はないと思いますよ。安物だから音が出しづらいという事もなく、安物だから音程が変だとかいう事もなく、安物だから音色が安っぽいとかいう事もありません。ただ、調整が狂い始めたら、もう終わりって話です。

 実際、私がチャイナ娘の使用をやめたのも、調整が狂い始めて、低音ドがどうしても出なかったからです。フルートを今の“アゲハ(アルタス1307R)”に買い替えたら、低音ドなんてボーボー出まくりですからね。チャイナ娘は、三ヶ月ほど熱心に吹いたわけですが、それくらいで調整が狂ってしまったようです。

 もっとも、チャイナ娘は今でも所持していますよ。まあ、フルートで低音ドなんて滅多に使わないし、今の私なら、ゴリ押しで、調整不良なフルートでも低音ドぐらいは出せるので、ちょっとした余興用としてキープしております。調整が狂っていて吹きづらい事は確かですが、決して吹けない楽器ではなりません。

 実際、このクラスのフルートだと、吹奏楽部あたりのフルートさんのマイフルートだったりするでしょ(私のところに相談に来たなら、絶対に買っちゃダメとアドバイスしますが…)。吹奏楽部なら、せいぜい2年吹ければいいわけで、吹奏楽のフルートは低音は吹きませんし、それくらいなら騙し騙し使えるかもしれません。というわけで、期間限定なら使えないわけじゃないし、値段相応の楽器だろうと思います。

 次はプラ子です。こいつには調整の問題はありません。と言うのも、キーメカの調整はネジ式なので、自分で調整できますし、タンポもシリコンタイプなので、ほぼ交換の必要はありません。

 こいつの欠点は軽いことだと思います。

 とにかく、プラスチック製ですから、楽器が軽いのです。

 軽いですから、息を吹き込んでも、簡単には鳴りません。鳴りづらい楽器なんです。おまけに息を大量に飲みますし…。そういった点では、こいつは初心者向けの楽器ではありません。中上級者向けの楽器なのかもしれません。さらに言えば、側鳴だしね。とにかく、こいつを活用するためには、膨大な肺活量が必要です。

 というわけで、ブレスコントロールを学ぶには、なかなか良いフルートですよ(笑)。呼吸筋のトレーニングには、もってこいの一品です(ニコニコ)。なので、私は日々の自宅練習用のフルートとして活用しています。だって、こいつで曲が吹けるなら、アゲハだとラクラク吹けるんだもの。いいコーチですよ。

 まあ、難しいフルートだし、見た目がチャッチイので、人前で吹こうとは思いませんが、自宅で厳しいコーチとして十分に役立っています。

 あと、プラ子の長所は、メンテナンスフリーの他、水洗いが可能な点かな? とにかく、扱いがかなり雑でも全然問題ありません。

 まあ、ちゃんとしたフルートが欲しければ、ヤマハのYFL-212が最安モデルになると思うけれど、それでも約8万円だからね。一般人の感覚として、楽器に8万円も出すなんて、正気の沙汰ではないからね。そういう庶民感覚に答えるためにも、激安楽器って市場に流通しているんだろうと思います。なので、私は一概に激安フルートを否定はしないのです。

 要は、目的にあった使い方と、割り切りですね。激安フルートに夢を見ちゃダメだけれど、高価な楽器は自分にはオーバースペックではないのかと問う事も必要なのかもしれません。

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posted by stone at 04:00| Comment(4) | フルートのエッセイ
この記事へのコメント
先日は二つの名前で投稿、失礼いたしました。もうすぐ65歳になるのですが音楽はこの年齢では小学校から高校まで当時流行のピアノを少々。
で、老後の趣味を探していた時すとんさんのブログにヒットし、励まされてフルートとうとう始めました!。全くいままで触ったこともない楽器です(苦笑。(ピアノは構造的に置ける家ではないので)
そしてマイフルートも購入。これからの年月考えると何事もなく生きて15年とふみ、すとんさんのブログも参考に買い替えなしのつもりで管体銀でレッスン始めています。これからもすとんさんのブログ楽しみに見ています。よろしくお願いします!
Posted by 金井(ソープ) at 2020年02月17日 14:02
ようこそ、金井(ソープ)さん

 最初っから管体銀とは、無駄のない賢いお買い物と見ました。そりゃあ、総銀とかゴールドとかは憧れだけれど、趣味でフルートを吹くなら、正直、そこまででなくても十分楽しめるわけです。私の知り合いのフルーティストにも、管体銀最高と言っている人もいるくらい、コストパフォーマンスが良いんですよね。

 そう言えば、私、フルート始めて、今年で12年だよ。十二支を一周しちゃうようです。飽きずにコツコツやって、もうそんなんですね。ああ、楽しかった。私は、まだまだフルート吹きまくるつもりです。それに、もっともっとフルート上達したいしね。

 お互い、頑張っていきましょう。

Posted by すとん at 2020年02月17日 20:30
私はファイフを数カ月吹いていましたがある日nuvoのスチューデントフルートを買いました。
最大の魅力はメンテフリーなことでした。
「癖のある楽器」「これで練習すると本物のフルートを吹くときにやり直しが必要だ」などレビューには有りますが、私にはこれで充分。
何気なく吹くと瓶の口を吹いたようにボーボー鳴リます(笑)。「トラベルソの音色に似ている」というレビューが有ったので、プラ製で高音の響かないこのフルートをトラベルソの音色に近くなるように工夫しています。プロの方がこのフルートを吹くとフルートらしく聞こえますが、私のは何処かの音で「?」と思うことが良くあります。
もし気が向いて洋銀のフルートを買ったら、そこでまた唄口の違いで練習すると思いますが、いいんじゃないですかね。本物のフルートが吹ける人でも尚、音色を追究して色々と吹き方を変えてみたりするらしいですので。
欠点は足部菅のジョイントとOリングと意味のないステンレスリングでしょう。
楽器らしい作りの良さでは10万円のプラ製フルートだと思います。こちらもプラ製なので吹き加減等はどうなのか分かりません。そのあたりのレビュー等が無いのも値段のでせいでしょうか(笑)。
Posted by フルートおじさん? at 2021年01月19日 17:01
フルートおじさん?さん、いらっしゃいませ

 おぉ、ファイフ! 懐かしいです。私も持ってますよ。最近はファイフを吹いていないので、ちょっと吹いてみたくなりました。

 ヌーボのスチューデントフルートはいかがですか? あれは価格はお手軽なのですが、初心者向けの楽器では無いと私は思ってます。ちなみに私は毎日のように吹いてますよ、むしろ総銀のフルートよりも吹いている時間は長いかもしれません。

 プラ管ですが、音色は(トラベルソとは全然違って)普通にフルートです。音色は太くて深いですよ。ただ、見た目がチャッチイので人前で吹くつもりはありませんが、録音とか舞台袖とか見えないところで吹くなら、これで十分だと思いますよ。毎日吹いているせいか、なかなか良い音がすると思ってます。

 まあ欠点は、楽器が軽いせいもあって、音量があまりありません。無理して音量を増やそうと思うと側鳴りになってしまいます。そういう意味では、自宅練習用のフルートと割り切って使ってます。

>プロの方がこのフルートを吹くとフルートらしく聞こえますが、私のは何処かの音で「?」と思うことが良くあります。

 おそらくですが…息が多すぎるのかもしれません。私でも、息を多めにして吹くと、響きが減って、安っぽい音になります。息は少なめに、細く、でもしっかりと吹くと、とても良い音で鳴ります。普通の洋銀フルートよりも、よっぽどブレスコントロールが難しい楽器だと思います。でも、このフルートを平気で吹けるようになると、普通のフルートがとても良い音で鳴るようになると、私は思ってます。

>楽器らしい作りの良さでは10万円のプラ製フルートだと思います。

 GUOのフルートかしら? あの楽器は、見た目が安っぽくないので、プラ管ですが、プロのフルーティストさんが普通に使ってますよ。私も数回吹いた事がありますが、普通に良い楽器です。

Posted by すとん at 2021年01月19日 20:50
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