2020年02月21日

フルート 息を長持ちさせるためには

 フルートという楽器は、深窓の令嬢あたりが吹いていそうな、いかにも“体力ありません”“虚弱体質です”的な方がたしなむイメージのある楽器ですが、実際のところ、かなり肺活量を必要とする体育会系の楽器だったりします。実際、他の吹奏楽器と比べても、息を大量に使うんですよ。

 なので、フルート初学者たちの共通する悩みの一つは「息が続かない」「息を長持ちさせるにはどうすればいいの?」と言ったところでしょうか?

 フルートの息が続かないのは、息の出た先に、何の障害物もない事が一番の原因でしょう。他の木管楽器なら、リードという木っ端があって、それを震えさせなきゃいけないわけで、それが息の障害物になります。金管楽器はマウスピースで押さえつけられた自分のクチビルが息の障害物になります。でもフルートには、何の障害物もなく、息は軽く吹いて出ていってしまうわけです。

 なので、あっという間に息が無くなって、息が続かなくなってしまいます。

 さて、そんなフルートで息を長持ちさせる方法は2つあります。一つは声楽的アプローチ。もう一つは循環呼吸です。

 最初の声楽的アプローチは、真っ当なやり方で、腹式呼吸でフルートを吹きましょうって事です。で、腹式呼吸をする際に、腹圧をコントロールして、息の出方を一定に保ち、息が出過ぎないように、また、出なさすぎ無いようにコントロールをしましょうって話です。イメージとしては、横隔膜を上に動かしたり下に動かしたりするわけです。クチで言うのは簡単ですが、実際にやるのは…とても大変ですよ。なので、修行あるのみです。

 私が笛先生からもH先生からも習ったのは、いわゆるドイツ式の腹式呼吸です。ちなみに“ドイツ式”と言っても、ドイツで流行ったやり方ではなく、昔の日本で流行った腹式呼吸のやり方です(ちなみに、今は“ベルカント式”が流行ってます)。このドイツ式は、腹筋を固めて、少しずつお腹を凹ませていくという方法です。やり方が単純な上、一定の呼気が保てるやり方で、特に大きな欠点はありません。ベルカント式と比べると、ダイナミックスに欠ける事と、ベルカント式よりは息が浅いという事です。ちなみにベルカント式と言うのは、腹筋をゆるゆるにして、常に腹筋を動かし続けていくというモノです。私のイメージでは、横隔膜のうち、カラダの正面部分は上に引っ張り、背中側に下に引っ張っていく感じです。ドイツ式よりも習得が難しいですが、より深い呼吸がコントロールできます。

 声楽的アプローチ以外の、もう一つのやり方は循環呼吸で、これは(頬の筋肉を使って)クチで息を吐きながら、鼻から息を吸い込んで…を繰り返して、永遠にクチから息を吐き出せるようにするテクニックです。現代曲では実際に使うテクニックです。この技法をマスターすれば、息が続かないといった事とはオサラバできますが、循環呼吸中は、かなり息苦しくなるようで、そう長い時間循環呼吸はできないと言った欠点があります。少なくとも、私は無理よ。

 なので、私の場合は、得意な声楽的アプローチで主に対応して、どうしても足りなくなったら、循環呼吸…ではなく、さっさと諦めてブレスをします(笑)。ただ、ブレスをするなら、闇雲にブレスをするのではなく、しっかりと音楽的にブレスをしても許されそうな場所を見つけて、なるべくそこでするようにしています。ま、被害はなるべく最小限に食い止めましょうって事です。で、循環呼吸は、ほんとの最後の手段として、なるべく使わないという方針で私は行っています。

 おそらくは、そんな事を考える以前に、カラダを鍛えて、肺活量を増やす方が、何より正しいやり方かもしれませんね。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。

にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
にほんブログ村


posted by stone at 04:00| Comment(4) | フルートのエッセイ
この記事へのコメント
まさにこの状態が今の私です(苦笑。自分の歳を言っちゃうと全ておしまい、かもしれませんがこれに関して先生は『一年スタンスで行きましょうね〜』とおっしゃいましたのでわたし信じてたんたんとレッスンに挑みます。私の場合腹式呼吸以前の問題で縮こまった肺を広げるのが先決、だそうです。
Posted by 金井 at 2020年02月21日 16:53
金井さん

 フルートを吹けるようになるためには、まず自分のカラダをフルート吹きのカラダにしないといけないんですよ。肺を広げるもそうだし、楽器を持ち続けられる腕も必要だし、息をきちんと吹けるクチビルも作らないといけないし…。そんなわけで、フルートがそれなりに吹けるようになるには、やはり時間が必要なんです。とにかくフルートを吹き続けている時間が必要なのです。フルートを吹くカラダを作るには、フルートを吹いて作るしかないですからね。

 逆に言えば、カラダさえ出来ちゃえば、もう怖いもの無しなんです。カラダができる前では、アレも出来ない、コレも出来ないと悩んでいた事が、カラダが出来ちゃう事で、その大半が解決しちゃうんですよ。これ、嘘みたいな本当の話です。

 カラダづくりは、若ければ、数ヶ月で作れますが、オトナは数年かかりです。私は、だいたい3年かかってますね。3年かかって、ようやくフルートが吹けるカラダになったと思います。それくらい時間がかかるんですよ。

Posted by すとん at 2020年02月21日 20:42
文章を読む限り、自分のやり方はベルカント式かな?と思いました。あ、吹いてるのはフルートじゃありませんが…。
しかし、ベルカント式が流行りというのは驚きでした。
Posted by kyonzy at 2020年02月27日 20:21
kyonzyさん

 ベルカント式が流行っていますと書きましたが、もう少し正しく言うと「ドイツ式はまだ完全に廃れてはいないけれど、明らかに方法論としては古く、また年配者や古いメソッドで教えている先生たちでは通用しているけれど、若手や新しいメソッドで教えている先生方は、ドイツ式から離れ、徐々にベルカント式に移行し、今ではかなり多くの演奏家たちが(意識するしないを問わず)ベルカント式の腹式呼吸を行っている」って感じでしょうね。

Posted by すとん at 2020年02月27日 21:08
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]