2020年07月21日

正しい音程で歌う方法

 …が分かればよいのに…と、歌を習い始めた頃はよく思っていました。

 まずは言葉の定義をしておきます。音程というのは、音と音との差であって、正しい音程で歌えれば、相対音感があると言えます。音高というのは、その音の絶対的な高さであって、正しい音高で歌えれば、絶対音感があると言えます。

 さて、本論に入ります。

 フルートだったら、ドならドの運指があって、その運指をして息を楽器に吹き込めば、まあだいたい正しいドが鳴るのです。自分自身がドの音がどんな音なのか皆目検討がつかなくても、ドの運指をして息を吹けばドが鳴るのですから、歌も同じように運指みたいなものがあって、それさえすれば、いつでも正しい音高…なんてぜいたくは言いません。せめて、いつも正しい音程で歌えればいいのに…って思ってました。

 願いは切実だけれど、考え方は浅はかです。

 今なら分かります。フルートだって、ただ万全と楽器に息を吹き込んだだけでは正しい音高にはなりません。運指が正しいのはもちろんですが、奏者がきちんと正しい音高をイメージして息を楽器に吹き込まないと正しい音高で楽器は鳴りません。

 歌も基本的には同じです。

 まずはイメージです。自分が歌おうとするフレーズの正しいイメージがないと正しい音程では歌えません。でもまあ、これに関しては、脳に障害でも無い限り、少なくとも音楽を趣味としたいと願う程度の人ならば、軽くクリアはしているわけです。自分が歌おうとしている正しい(あるいは、理想の)イメージはあるのだけれど、それを歌として表現できない…のが悩みなわけです。

 だから、歌にも運指があればいいのに…なんていう、頓珍漢な事を考えるわけです。典型的な運動性音痴の考える事です。

 結論から言えば、歌には運指はありません。ひたすら練習するしか手はありません。

 正しい音程で歌うための練習とは…ひたすら歌の基礎練習を地味に丹念にやるだけの話です。

 私がやった練習の中で、おそらく一番効果的だったのは、チューナーを使って、ひたすらハ長調の音階を階名で歌う練習です。とにかく、チューナーを見ながら「ドー、レー、ミー…」と歌っていく練習です。この練習で、歌の筋肉と耳の両方を鍛えていきます。「ドー」と声を出して、チューナーでその「ド」が正しいと確認していき、その時の筋肉の使い方を覚えます。同時に「ドー」と自分で出した声を聞いて、その「ド」を記憶します。ただ、それだけ。それの繰り返しで、一オクターブをマスターしていきます。

 これだけで数ヶ月かかります。でも、これをマスターすると、筋肉と耳が鍛えられて、階名と筋肉の感覚がつながり、正しい音程で歌えるようになり、同時に階名と耳の感覚もつながり、自分が歌ったフレーズが正しく歌えているかどうかが分かるようになります。

 これができると、ようやく簡単な歌が歌えるようになります。さらに上達するためには、ドレミ…と言った順次進行だけでなく、ドシラ…と言った下降進行もやらないといけませんし、ドミソ…と言った3度の音程とかもやらないといけません。こうなると、コールユーブンゲンの世界ですね。たぶん、コールユーブンゲンは有効だろうと思います。私はやってませんが…。だって、あんなにたくさんの課題曲をやらないといけないと思ったら、歌を辞めたくなっちゃうでしょ?

 ドレミの順次進行と、ドシラの下降進行、ドミソの3度の音程ができるようになったら、簡単な曲を楽譜を見ながら歌っていくと良いだろうと思います。それこそコンコーネの世界です。もっとも、私、コンコーネもちゃんとやってませんが(笑)。

 私が最初に行った、チューナーを見ながらの練習は、おそらく昔のやり方です。要は自分の出した声の音高をきちんと視覚化して確認できればいいのです。今なら、スマホのアプリで、もっと楽しくて効果的な音感トレーニングのアプリがあるでしょうから、そういうモノを使っても良いだろうと思います。

 大切な事は、楽譜にかかれている音符と、自分の筋肉の感覚と、自分の耳の感覚の3つをつなげる事です。この3つの感覚がつながった時に、正しい音程で歌う準備ができたと言えます。ちなみに、絶対音感を持っていなければ、ハ長調の音階をきちんと覚える事で、その他の調の歌にも対応できます。つまり、相対音感の獲得ってヤツですね。

 私もまだまだ修行中です。頑張っています。

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posted by stone at 04:00| Comment(0) | 発声法のエッセイ
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