2020年12月08日

声種と声域には相関関係がある?

 プロ(つまり、完成された歌手)の場合、強い相関関係があると思いますが、未完成な歌手…つまり、趣味レベルのアマチュア歌手の場合は、相関関係は無いと考えたほうが良いかもしれません。

 ここで言う、相関関係の有無とは…

 「ソプラノだから高音が得意。アルトだから低音がよく出せる」または「高音がよく出るからテノール。低音がよく伸びるからバス」とかの話です。つまり、高音歌手(ソプラノ&テノール)は高音がバンバン出る声を持っていて、低音歌手(アルト&バス)は低音がバンバン出る声を持っている…って話です。

 …だといいよねえ…というのが、私の偽らざるを得ない感想です。

 プロなら、そうだと思うのですよ。でも、我々アマチュアは必ずしもそうではありません。アマチュアの場合、音域だけで考えれば、男声はバリトン、女声は上の無いソプラノ、またはメゾソプラノになってしまう人がたくさんいます。

 つまり、未熟な歌手の声域は、中音域を中心とした狭い音域しかないのです。これが歌を歌い始めた人の初期状態なのです。ここから訓練を重ねていって、自分の声(つまり声種)に合った声域に広げていくわけです。

 声種というのは、簡単に言ってしまえば、声の音色の傾向です。つまり、声色です。人はそれぞれ声色が違うでしょ? その声色によって声種が決まるってわけです。もちろん、この場合の声色は、話し声の声色ではなく、歌声の声色であるのは、言うもがなですよ。ざっくり言えば、軽やかな声の人は高音向きであり、渋い声の人は低音向きなのです。

 それぞれの声色の特徴から声種を判断したら、ソプラノやテノールの高音歌手は、高音へ音域を広げていくわけだし、アルトやバスは低音へ音域を広げていきます。中音歌手であるメゾソプラノやバリトンの人たちは、上下に音域を広げつつ、声の美しさに磨きをかけていきます。そうやって、それぞれの声種にふさわしい音域を後天的に獲得していって、歌手として完成をめざすわけです。

 なので、最終的には、声種と声域には相関関係が生じます。高音歌手は高い音が得意でしょうし、低音歌手は低い音が得意になります。でもそれはあくまでも完成した姿であって、未熟な段階では高音歌手であっても高音は苦手だったりするし、低音歌手であっても低音は全然響かないかもしれません。でもそれは、未熟さゆえ、仕方がないのです。

 で、私が思うのは、私自身がそうだったけれど、アマチュア合唱団に入る時に、音域を調べられて、それで自分のパートが決まるわけだけれど、その時に「あなたは○○まで出るからテノール」って言われ方をされたのが、未だにちょっと心に引っかかってます。「君の声ならテノール」と言われたのなら納得ですが「○○まで出るから…」ってのは、声色ではなく声域で判断されたわけで、結果的にテノールだったので良かったけれど、一歩間違えば、危ういことになっていたわけです。

 くわばらくわばら。いやあ、やばかったよ。

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posted by stone at 04:00| Comment(0) | 発声法のエッセイ
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